第二十四話 古墳その十六
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案に頷いた、そうしてだった。
泉の候補地について博士にさらに聞くことにした。これでこの話は決まった。
そのうえで酒をさらに飲む、愛実は飲みながら聖花にこうも言った。
「ねえ、濁酒ってね」
「どうしたの?」
「あまり酔わないのよね」
今の時点で量は多い、だがだった。
愛実も聖花もまだ顔はそれ程赤くはなっていない、それで言うのだ。
「普通の日本酒よりもね」
「アルコール度が低いのよ」
「ああ、それでなのね」
「そう、清酒より酔わないの」
そうだというのだ。
「濁酒はね」
「そうなのね。それに甘いし」
これもまた清酒とは違って、である。
「癖があるのよね」
「そうそう、けれど愛実ちゃんって」
「何?」
「いや、濁酒もいけるのね」
「好きな方よ」
実際にそうだというのだ。
「あれば飲むわ」
「そうなのね」
「聖花ちゃんは違うのね」
「清酒の方が飲むこと多いし」
今はそうなっている、濁酒は少なくなってきているのだ。
「だからね」
「けれど嫌いじゃjないわよね」
「ええ、嫌いじゃないわ」
実際にそうだというのだ。
「だから飲めるし」
「そうよね、じゃあね」
「一人一升だし」
二升入っているからそれだけだというのだ。
「大分あるわよ」
「そうね、ゆっくり楽しもうね」
「ただ、飲んでると」
聖花は扇風機の風に愛実と一緒にあたりながらこうも言った。
「暑くなるわね」
「お酒だからね」
「ビールよりもね」
ビールは身体を冷やす、だが日本酒の系統のものは温めるので必然的にそうなってしまうのだ。尚ワインも身体を温める。
それでだと自分で言ってまた飲む聖花だった。そして。
愛実もまた飲む、二人はこの日は猫又から貰った濁酒を心から楽しんだのだった。
第二十四話 完
2013・1・30
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