TURN64 バルバロッサ作戦その八
[8]前話 [2]次話
「そうするべきだったか」
「そうせざるを得ないべきだったか」
「そこはな」
「かなり難しいところね」
「結果としてイタリンは助けられた」
このこと自体はよかった。実はレーティアはイタリンを好きである。イタリア達はおろかムッチリーニも嫌いではない。
「しかしエイリスは滅ぼせず」
「バルバロッサ作戦もね」
「ロンメルがいればより確実な作戦を立てられた」
そうだったというのだ。
「だがな」
「仕方ないことね」
「全くだ。せめてスエズからカフカスに攻められれば」
スエズ攻略も果たしたいところなのだ。
「イタリン軍だけでしてくれていたら」
「理想だったわね。それでイタリン軍にもバルバロッサ作戦に参加してもらって」
「だがそれはな」
「夢物語ね」
「イタリン軍は弱い」
全てはそれに尽きた。
「あまりにも弱い」
「弱過ぎるからね、本当に」
「イタリン軍ではとてもエイリス軍の相手にはならない」
「だから私達が行かないとね」
「全く。難しいところだ」
レーティアは疲れた顔で溜息をついた。
「これでも何とか計画通りにいっているがな」
「そうさせているのね」
「本当に何とかだ」
人類史上最大最高の天才とさえ謡われるレーティアの総力を尽くしてもだ。
「今の状況はな」
「ソビエトさえ倒せば何とかなるけれどね」
「そのソビエトだ。必ず倒す」
「そして返す刀でエイリスも」
「後は。太平洋だな」
レーティアの目は彼女達から見れば遠いその場所にも及んでいた
「日本はガメリカと本格的な戦闘に入ったな」
「びっくりしたわ。ハワイを占領したわ」
丁度その頃にバルバロッサ作戦がはじまったのだ。
「あそこで勝てるなんてね」
「ひょtっとするとひょっとするな」
「勝てるかしら、日本は」
「まだ確かなことは言えないがな」
それでも勝機は見えてきたというのだ。
「勝てる可能性が出て来た。その場合のケースも想定しているが」
「日本が太平洋を掌握した場合も」
「開戦も視野に入れている」
今は同盟を結んでいるがそれは永遠のものではないというのだ。
「だが日本は思ったよりも強い様だな」
「エルミーを送ったせいもあるけれどね」
「中々やる、戦う時は用心しておくか」
「その方がいいわね」
こうした話もしてだった。レーティアとグレシアはソビエトに向かうドクツ軍を見ていた。ドクツの命運を決する空前の作戦は遂にはじまった。
TURN64 完
2012・11・6
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ