TURN64 バルバロッサ作戦その七
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だからだと。レーティアは言うのだ。
「寝てなぞいられない」
「いつも言ってるわよね。毎日少しの間でもね」
「寝るべきだというのだな」
「ええ、そうよ」
グレシアはレーティアに対して告げる。
「一睡もしないのと少しでも寝るのとでは全く違うのよ」
「それはわかってはいるが」
レーティアは総統になってから明け方まで仕事をして少しソファーでまどろみ遅くとも九時には起こされて熱い風呂に入って疲れを癒す生活をしている。
普段からそうであり今は余計になのだ。
「しかしだ」
「本当に少しでも寝てね」
「栄養は摂っている」
寝てはいないがそれでもだというのだ。
「だから安心してくれ」
「けれど貴女の食事は」
完全な菜食主義だ。確かに太らないがそれでもだった。
肉や魚でエネルギーを急激に摂取出来ない、野菜や穀物では肉や魚に比べてエネルギーは遅効的でありかつ穏やか。だからだった。
「ソーセージでも食べる?」
「いや、いい」
レーティアの方もそれを断る。
「肉はな」
「そうよね、やっぱりね」
「もう口には出来ない」
完全なベジタリアンになってしまっていた。
「ミルクやチーズがあるからそれを口にする」
「だといいけれど」
「トマトや大蒜もある」
主としてレーティアの好物あるパスタに使われる。
「栄養は大丈夫だ」
「それはなのね」
「バルバロッサ作戦が終われば少し休む」
そうするというのだ。
「それまではもたせる」
「頑張ってね。ただ」
「今度は何だ」
「いえ、ロンメル元帥もいてくれたら」
グレシアが今度言ったのは戦力のことだった。
「違ったけれどね」
「そうだな、ロンメルとプロイセン君達の高速部隊もいればな」
「もっと一気に進めるわね」
「ロンメルはマンシュタインと同じく中央を進ませつもりだった」
つまり中央を任せる予定だったのだ。
「だがな」
「北アフリカに送ったからね」
「使えない。北アフリカ戦線もだ」
「優勢ではあるわ」
「だが攻め切れてはいない」
これが実情だった。
「戦力が足りないな、やはり」
「イタリン軍もいるけれどね」
「イタリン軍か」
レーティアはこの軍の名前を聞いて微妙な顔になった。そして声も微妙なものにさせてこう言うのだった。
「嫌いではないのだがな」
「戦力としてはね」
「あまり頼りにならない」
実際はあまりどころではない。
「困ったことにな」
「アシカ作戦の時あっさりやられちゃったしね」
そしてナポリ、ローマを伺われる始末だった。
「あの時は本当にまずかったわね」
「思えばイタリンを倒される前にロンドンを攻め落とせばよかったか」
今はこう思うレーティアだった。
「ロンメルを回さずに一気にな」
「
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