第一幕その二
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のだ。
「うむ。それを重くみた御領主様はこの競技を開くにあたり自ら見られることとなった。そしてその場で参加者及び優勝者の潔白を確かめられる」
「当然ですな」
「本当に。異端審問なんかが行われていたらと思うと」
「同時にそこで優勝者は花嫁を選ぶこととなった。優勝した褒美の一つとしてな。その花嫁はその時に花の冠を被る。悪魔を退ける花の冠をな」
「そうして悪魔を完全に追い払うというわけですね」
「そうでもしないとな。悪魔がこの森に潜んでいるというのは事実なのだし」
「ええ」
人々はそれを聞いて暗い顔になって頷いた。
「いますね、確かに」
「あの悪魔が」
森の奥を見る。そこにはその悪魔が潜んでいると思われているのだ。
「ザミエル・・・・・・」
誰かがその名を呟いた。それを聞いた全ての者の背筋が凍るようであった。
「さてマックスよ」
クーノはここでマックスに顔を戻した。
「はい」
マックスはそれを受けて答えた。
「期待しているからな。それだけはわかってくれ」
「はい」
だがその返答は暗く沈んだものであった。やはり自信がないのだ。
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