第三章
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私も決断した、顔を上げてはっきりとした顔で答えた。
「行くわよ、オメガまで」
「ええ、わかったわ」
「じゃあ今すぐにね」
「出港よ」
また全員に告げた。
「クローバーを出してもらって乗り込むわよ」
「了解」
「じゃあ行きましょう」
皆も私の言葉に笑顔で応えてくれた、それでだった。
私達は出港しそしてだった。
オメガに全速力で向かう、皆必死に操縦している。
私も周囲への警戒を怠らない、そして言うのだ。
「今のところはレーダーは大丈夫よ」
「操縦もね」
「エンジンもね」
「兵器全般も」
「航路も」
その全てが何とかだった、何とかだ。
船は動いている、けれど時々だった。
船がきしむ、私は船長の席からそのきしみを感じ皆に言った。
「オメガまでもたせないとね」
「そうね、何とかね」
このことを操縦の黄の娘も言う。
「もたせないとね」
「今オメガの方はどうなってるの?」
私は通信も担当している紫の娘に尋ねた。
「どんな状況なの?」
「よくないわ」
難しい顔での返事だった。
「どうもね」
「そうなの」
「七十二時間ね」
今もこのタイムリミットは変わらない、災害の時に人が生きられるかどうかの運命の時間の長さは。
「その間にもね」
「死んでいってるのね」
「特に子供達からね」
私も喋る紫の娘も他の皆もこの言葉に顔を強張らせた。
「死んでいっているらしいわ」
「急ごう」
桃の娘が言った。
「もっと速い航路出すわよ」
「それ安全な航路よね」
私は桃の娘にこのことを確認した。
「途中にブラックホールとかは」
「あるわよ、大きいのが」
しかもだった、それに加えて。
「アステロイドに宇宙潮流、超惑星もね」
「揃ってるわね」
「けれどそこを通って遠距離ワープを使えば」
それだというのだ。
「オメガまで一日よ」
「一日なのね」
「このコースは安全な航路の中で最短距離だけれど」
それでもだというのだ。
「それでも三日よ」
「三日・・・・・・」
その七十二時間だ、これではだった。
「三日なのね」
「そうなの、安全コースだとね」
「けれどそっちではよね」
「そう、一日よ」
それで行けるというのだ。
「どうも海賊もいるけれどね」
「本当に揃ってるわね」
攻撃担当の青の娘も苦笑いで言う。
「そのコースって」
「そうね、凄いわね」
「無茶苦茶みたいね」
黄の娘と緑の娘も言って来た。
「それでも一日ね」
「一日で行けるのね」
「そう、一日よ」
桃の娘は皆に答えた。
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