第72話 夕日の決戦
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見える物全てが瓦礫の山となっており、目も当てられない光景となっていた。
「酷い……町が滅茶苦茶」
「許せねぇ……今度と言う今度は心底はらわたが煮えくり返ってきたぜ!」
「甲児の言い分も分かる。この光景は私も怒りが込み上げてきた程だ」
誰もがその光景を前にして怒りを露にしていた。
誰もが挑戦状を叩きつけて来たナックル星人に対し怒りの思いを募らせていく。
あの瓦礫もかつては町があり、人が住み、家族が出来、幸せを分かち合っていたのだろう。
その幸せを無情にも侵略者達は奪い去った。それが許せなかった。
「行きましょう甲児さん! そのタックル星人を見つけ出して皆で倒しましょう!」
「フェイトちゃん、それを言うならナックル星人だよ」
「どっちでも良いさ。ナックルだろうがタックルだろうが纏めてぶちのめしてやる……ん?」
ふと、甲児は何かを見つけた。瓦礫の山と化し、本来其処には人一人居ない筈の町。
その町に、ポツンと映る人影があった。
オレンジ色の制服を着た青年だ。ひび割れた道路のど真ん中に倒れているのが見える。
もしや怪獣にやられて負傷したのでは?
「お前等、悪いが下に居る人の元に向ってくれ」
「誰か倒れてたんですか?」
「人が倒れてる。此処からじゃ分からないが下手するとヤバイかも知れない。生憎俺はこの状態だからお前等なら頼めるだろ?」
「任せて!」
キャノピーが開き、其処からなのは達は飛び出した。と、言ってもデバイスのないなのははフェイトに抱えられて地面に降りたのだが。
デバイスを無くし、変身能力を失った今のなのはは常人の能力しかない。
だが、それでも誰かの役に立ちたい。その強い思いがなのはを突き動かしているのだ。
「しっかりして下さい! 大丈夫ですか?」
「う、うぅ……」
倒れていた青年に近づきそっと尋ねる。遠目からでは見えなかったが、かなり負傷しているようだ。体中に浮き彫りになる傷が何とも痛々しさを物語っていた。
「くそっ、こんな時にシャマルが居れば治療出来たと言うのに」
「ない物ねだりしとらんで早く手当てするで」
制服を脱がそうと青年を仰向けに転がす。その際に青年の顔を見る事が出来た。
其処に倒れていたのは、郷秀樹だった。
もう一人のウルトラマンこと、郷秀樹だったのだ。
「ご、郷さん!」
「知り合いなの? フェイトちゃん」
「う、うん! でも、何でこんな酷い怪我を?」
郷秀樹は数日前に起こった第二次日本攻略作戦の折、進撃してくる怪獣軍団に対しグレート、ゲッターと共に迎撃に当った。
だが、それを最後に連絡が取れず仕舞いになっていたのだ。
その郷が何故こんなにボロボロの状態で倒れているのか?
疑問は尽きなかった。
【出て来いウルトラマン! 出てきて我々と戦う
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