第72話 夕日の決戦
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まえる程の高さの波が確認できた。
このまま波が直撃すれば、東京は水浸しとなってしまうだろう。
「に、兄さん! これは、まさか―――」
「あぁ、間違いない! 奴が今度は地球を狙って来たんだ!」
そんな中、ジンとゲンの兄弟が戦慄した顔をした。
二人の顔色が明らかに何時もとは違う強張った顔をしていた。
「お、おいどうしたんだよ二人共?」
「二人共凄い顔怖いよ? 一体どうしたんですか?」
甲児となのはの二人がゲンとジンの兄弟の顔を察知し尋ねてきた。
普段の二人とは違うとても殺気づいた顔つきだった。
「すみません、皆さん。此処へは僕達が行って来ます」
質問に答える事すらなく、ジンの一方的な言い分にその場に居た一同は驚かされた。控えめなジンとは思えない言葉だったからだ。
「おいおい、お前等だけで行く気かよ? 俺達も一緒に行くぜ」
「いや、此処は俺達に行かせてくれ甲児。この津波はかつて俺達の星を滅ぼしたのと同じ現象なんだ」
「同じ現象? それってつまり―――」
「そうだ、俺達の星を滅ぼしたあの悪魔がこの星にまで来たんだ。絶対に奴等の好きにはやらせない」
ゲンの怒りがハッキリと見て取れる程だ。二人は他のウルトラマンとはまた別の星出身と聞いていた。
だが、その故郷の星は凶悪な侵略者の手により滅ぼされ、二人は僅かに生き残った者達らしい。
そして、互いに離れ離れとなりながらも、こうして地球で再会する事が出来たのだ。
「どないしよう? 甲児兄ちゃん」
「どないしよう……っつったってなぁ」
二人の言い分に甲児達はすっかり困り果ててしまった。一体どうしたら良いのか?
こう言う時には人生の先輩などが居ればその人に聞くのが一番なのだが、生憎光太郎と立花のおやっさんの二人は席を外している現状。
答えは自分達で見つけるしかない。
「分かったよ。けど、やばくなったら俺達を呼べよ。すぐに駆けつけてやるからな」
「有り難う。俺達のわがままを聞いてくれて」
甲児の言葉に感謝を述べつつ、ゲンとジンは即座にアミーゴを出て行った。
しかし、此処からどうやって東京湾へ行くつもりなのだろうか?
二人はウルトラマンになれるとは言え、レオもアストラも地球では僅か2分40秒程度でしか居られない。
それに、あの二人は確か運転免許を持っていなかった筈。
まさか、徒歩で向ったのか?
どうでも良い事に疑問を感じる一同。
そんな時、先ほどまでニュースを映していた画像が突如荒れ出し、ついには完全に砂嵐状態となってしまった。
部屋中に砂嵐の荒れ狂う音が響き渡る。
「なんだなんだ、故障かぁ?」
疑問を感じながらも甲児はテレビの側面に向かい平手を放ちだす。古来より機械はこうする事で直ると言われているが、実際にはそれは迷信に過
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