第72話 夕日の決戦
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が殺されますよ!」
戦いに挑もうとする郷をフェイトが止めた。マジンガーで勝てないほどの強敵だ。果たして今の郷が、ウルトラマンが勝てる相手なのだろうか?
「退いてくれフェイトちゃん。僕が行かないと彼が、あのロボットが破壊されてしまう」
「でも、郷さんが殺されますよ!」
「それでも僕は行かなくちゃならない。兄さん達が愛し、守ったこの星を侵略者達の手に渡す訳にはいかないんだ!」
状況は正に絶望的だった。マジンガーでも太刀打ち出来ない怪獣。
傷ついたウルトラマン。
そして凶悪な宇宙人の手に囚われた人質。
不利になる材料が此処まで揃ってしまったのでは、勝ち目など稀有な物だった。
正にその刹那だった。
上空から高速で何かが迫るのが見えた。
それは星の様な輝く光だった。
その光はやがて形を成していく。
それは、真っ赤に燃えるような巨大な二人の巨人だった。どちらも見覚えのある光の巨人であったのだ。
「あ、あれは!」
現れたその巨人を見て、なのはは声を上げた。知っている。私はあの巨人を知っている。
そして、あの巨人が再び戻って来るのを、誰よりも待っていたと言える。
【ぐおっ!】
巨人の一人はナックル星人を突き飛ばし、捕まっていた人質をその手に掴み取る。その間でもう一方の巨人はブラックキングに上空から蹴りを叩き込み、押し倒した後でマジンガーZを抱え上げる。
「う、ウルトラマン! ウルトラマンなのか?」
(待たせてしまったね、甲児君。僕達は帰って来たんだ)
ウルトラマンから声が響いた。テレパシーだ。
しかし、その声は聞き覚えがあった。
ハヤタの声だった。ハヤタが、ウルトラマンが今甲児の目の前に居たのだ。
そして、人質を助けたその巨人こそ、もう一人の赤い巨人、ウルトラセブンだったのだ。
(待たせたなジャック。私達も共に戦うぞ!)
「兄さん! 兄さん達が来てくれたんだ!」
郷は感動した余り目から涙を浮かべる。しかし、その涙を強引に拭い取り、その目に闘志を燃やす。
今は涙を流すときではない。怒りの炎を胸に抱き邪悪な侵略者達を叩きのめす時なのだ。
傷ついた体を湧き上がる闘志で突き動かし、右手を天に掲げる。
光が郷と包み込み、その光はやがて巨大な光の巨人を生み出した。
ウルトラマンに酷似した姿を持つもう一人のウルトラマン。
その名はウルトラマンジャック。
【ば、馬鹿な! 何故ウルトラマンとウルトラセブンがこの場に来たのだ! 貴様等は光の国に帰った筈!】
(そう、そして私達は帰って来た!)
(貴様等侵略者達からこの青い星を守る為に! 仲間達のピンチを救う為に、我等は帰って来たんだ!)
雄雄しく、力強くそう告げる。
ウルトラマンが、ウルトラセブンが、今帰って来たのだ。
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