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神への資格
第一章  3
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っているだけに、余計に不安を煽られる。
 エドは自分には関係ないと思っているのか、はたまた頭が追いつかなくて、会話に入れないだけなのか―茫然と、所在なさげに壁に寄り掛かっていて、こっちに一切近寄って来ない。
「貴方達は天使で、しかも天界に住んでいると、居候要請許可書の手紙に入っていましたのよ」
「??」
(居候要請許可書?―一緒に入れた手紙に、そんなこと書いたっけ?)
 王妃の言いたいことが全く理解出来ずに、僕は首を傾げた。初めて聞く言葉ではない。何故なら、その手紙を書いたのは自分だ。でも―『そのような内容の文章を書いた』だろうか?通常、このような手紙を人間に対して送る時には、自分達の正体が『極力』バレない様に、必要最低限の内容しか書かない様に、取り決めがなされていたはずだ。
(それなのに、人間に僕達の正体が知られている!?)
 これは、非常事態だ。僕らみたいな、まだ完璧な神ではなく、ただの中途半端な立ち位置である天使クラスが、人間に正体を知られてしまうなんて…。しかも、書いた覚えのない内容で…これでは、何も始まらずに失格になってしまうかも。
「ですから、これから毎日少しずつで良いので、天界のお話を聞かせていただけませんか?―ああ、けれど今日はお二人とも遠い所からいらして疲れているでしょうから、明日からで良いですわ」
 僕の頭が混乱していることに気づかないまま、王妃クロエは言った。変な気遣いを利かせてくるし、嬉しそうな満面の笑顔で言われてしまって、僕は
「は、はい。勿論…」
禁止事項であるのに、嫌とは伝えられなかった。


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