第二話「魔物との戦い」
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して落ち
る。だから、子鬼の武器を奪おうなどとは考えるな、錆びた武器など、折れてしまえば何の役にも立た
ん」
しかし、この弓矢はどうだ。弓の張りも十分だし、矢も矢羽を撫でてみるに使える。
実戦は臨機応変が基本。
タチカゼは賭けに出た。
子鬼たちは、関所に気を取られてそちらのほうへ行ってしまった。
タチカゼは弓に矢をつがえた。
遥か、上空めがけて矢を放った。矢は、大きく打ちあがったとみるや関所を襲おうとしていた子鬼ども
の一匹に急降下してズブリと刺さった。
子鬼は、一度血をばあっと吐いたあとばったりと倒れてしまった。しかし、まだまだ矢が風を切り裂く
音は絶えない。
子鬼どもはどこからくるのかまったく分からずきょろきょろとおびえている。
一人、また一人、どんどん、矢による攻撃で死んでいく。
とうとう子鬼は恐ろしくなって逃げ出していった。
「ものすごい腕前だ、おいどこから矢を射ってたか分かったか?」
「いや、とにかく恐ろしい腕だ。おい、だれか、あの者を探し出して来い、お礼の一つでもせねば」
すると、馬にまたがった麻の服を纏った黒髪の若者がこちらへやってくる。腰には刀を差し、背中に弓
矢を携えている。
「やあやあ、俺は分け合って、王国に向かっている旅の者だ。敵も数が多い、戦いに難ありとみて助太刀いたした。願わくば、今夜の宿を貴方らにお願いしたい」
関所の者たちは関心した、堂々としていながら、礼を欠かないその振る舞い、そしてさきの戦い。
「いや、宿なら私たちのほうからお願いしたい。どうぞ泊まっていってくだされ。お礼の一つもせねば
気がすみませぬ」
そうしてタチカゼは、旅の最初の宿をとった。
夕暮れがゆっくりとその街道のある谷を照らしていた。
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