第三幕その二
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てその場を取り繕った。
「使いの者か誰かが間違えたのでしょう。けれどその責任は問わないで。神聖な婚礼の場なのですから」
「え、ええ」
アガーテも少女達もそれに頷いた。
「このことは忘れましょう。いいですね」
「はい」
エンヒェンに言われ皆頷いた。こうしてこの場は何とか収まった。
「とりあえず花の冠ですが」
「それだったら」
アガーテがここで口を開いた。
「薔薇を使いましょう、白い薔薇を」
そう言って花瓶にあるあの白い薔薇を指差す。
「隠者様から頂いたあの白い薔薇を。それならいいでしょう?」
「あ、それでしたら」
エンヒェンはそれを聞き明るい顔に戻った。
「よろしいかと。では早速花の冠を作りますね」
「ええ、お願い」
こうしてエンヒェンは花瓶の側に行き素早い動きで花の冠を作った。そしてそれをアガーテの前に差し出す。
「どうぞ」
「はい」
あらためてその冠を受け取る。そして彼女はそれを被った。
「まあ」
それを見たエンヒェンも少女達も思わず感嘆の息を漏らした。あまりにも美しい姿だからである。
「どうかしら」
アガーテは彼女達に尋ねてきた。
「とてもいいですわ」
皆口を揃えてそう答えた。
「それでしたら問題はないと思います」
「それどころかかえってよいような」
「じゃあこれで行くわね」
アガーテもそれを聞いて安心した。そしてそう尋ねた。
「はい」
皆それを認めた。アガーテはそれを聞いてまた微笑んだ。
「よかった、さっきはどうなることかと思ったけれど」
そして頭にある白い薔薇に手をやった。
「頼むわね。婚礼の間私を護ってね」
隠者に言われた言葉を思い出していた。そして彼女はエンヒェンや少女達と共に婚礼の場に向かうのであった。
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