機動戦士ガンダムSEED
0188話
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界だったんだが。そして4分目に突入し、濃密というよりは濃厚と表現した方がいいような殺気をトールへと叩き付け……次の瞬間にはトールは白目を剥いて気絶し、床へと倒れ込んだ。
「トール!」
慌ててキラがトールへと近寄るその様子を見ながら、殺気を収めていく。
ふと周囲を見ると、ムウにマードック、それに他の整備員の面々も顔を青くして俺へと視線を向けていた。
「言うまでもないが、テストは不合格という事で構わないな?」
ムウへと視線を向け尋ねると、額に汗を掻きながらも頷く。
「あ、ああ。しかし、やりすぎじゃないか? 本気でお前さんに殺されるかと思ったぞ」
「そうか? 戦場にでるのならあれくらいの殺気は受け流せて当然だと思うが」
「馬鹿言うな。周りを良く見てみろよ」
ムウに言われて周囲を見回すと、数人の整備員達が腰を抜かして床へと座り込んでいた。
「……俺としてはやりすぎのつもりはなかったんだがな」
ウォーダンとの生身での戦闘訓練では、あれよりも強烈な殺気をお互いに叩き付け合うのが普通だっただけに、いまいちピンと来ない。
結局はトールが戦場に出るのはまだ早いという事になり、しばらくはブリッジで今まで通りの仕事を続ける事になった。
ただ、それでもなかなかに懲りないようで、気絶から気が付いた後に俺の前へとやってきて『次は負けませんからね!』と宣戦布告してブリッジへと戻っていった。
……実はなかなかに根性のある男だったんだな。ムウ並の軽い性格とミリアリアとの夫婦漫才が強く印象に残っていたんだが。
「で、ブリッツは? もう運ばれてきてるんだろう?」
「ん? ああ、いつもの場所に置いてある」
近くにいたマードックへと尋ねると、いつもブリッツが置かれている方へと視線を向ける。確かにいつもの場所にブリッツは置かれていた。
「一応、関節部分の消耗が酷いという事で、その辺を重視して新型の関節駆動パーツへと変えたらしい」
「変更点はそんな所か?」
「何しろ時間がなかったからな。ストライクの方はそれなりに性能向上出来たんだが、兄ちゃんのブリッツは消耗が酷すぎたから、そっちに掛かり切りになったらしい」
「ま、使えるならなんとかなるさ。それよりもさっきも言ったがグゥルの調整をしておいてくれ。恐らくオーブから出航したらすぐに例の部隊と鉢合わせる事になるぞ」
「マジかよ」
そう。原作通りに進んでいるのなら、モルゲンレーテの近くでキラとアスラン達は出会っている筈だ。そしてアスランはこのオーブにアークエンジェルが匿われている事を察する。
「俺の勘が正しければ、な」
呆れた様子のムウとマードックにそう呟き、ブリッツの調整作業を開始する事にした。
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