機動戦士ガンダムSEED
0188話
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そんな俺の様子を見て、苦笑を浮かべつつもマリュー達に敬礼を返すキサカ。
そのままブリッジを出て行こうとするキサカをマリューが呼び止める。
「キサカ一佐」
「ん?」
「本当に色々とありがとうございます」
「いや、こちらも助けてもらった。既に家族はいないが、私はタッシルの生まれでね。一時の勝利に意味はないと分かってはいても、見てしまえば見過ごす事も出来なくてな。暴れん坊の家出娘をようやく連れ帰る事も出来た。こちらこそ、礼を言うよ」
軽く頭を下げて、今度こそキサカはブリッジを出て行った。
それを見送り、俺もブリッジを出る。
「アクセル?」
「ちょっと格納庫にな。ブリッツやストライクのオーバーホールも完了したって話だし、調子を見ておきたい」
「そうだな。もうすぐオーブを出る事になる。そうすれば恐らくまた例のザフト部隊とやり合う事になるだろう。アクセル・アルマー、頼む」
以前と比べてどこか柔らかくなったナタルに軽く手を振ってブリッジを出る。……やっぱりムウのおかげだろうか?
格納庫へと入っていくと、スカイグラスパーの周囲にキラやムウ、マードックが集まっている。そしてスカイグラスパーにはトールの姿が。
そう言えばそうだったな。次の戦闘からトールがスカイグラスパーに乗って出撃して、その次の戦闘でアスランのイージスに撃墜される事になるのか。……阻止すべきだな。通常のザフトと戦うのならまだなんとかなるだろうが、赤服が揃っているクルーゼ隊――今はザラ隊か――相手に初心者では荷が重すぎる。
「大丈夫ですってば。シミュレーションだってもうバッチリ。やれますよ」
どこか得意気なトールのその言葉を聞き、マードックが溜息を吐く。
「こいつが2機出られりゃぁ、確かに助かるでしょうがね」
「……やめておけ。死ぬのがオチだ」
そんなマードックの言葉を遮るように声を掛ける。
「兄ちゃん」
「分かってる筈だぞ、マードック。戦争はそんな簡単なものじゃないって事は」
「アクセルさん、大丈夫ですよ! シミュレーションできちんと練習したんですから」
「シミュレーションは所詮シミュレーションでしかない。現実はゲームのように甘くないんだ。それに、追ってくる敵が普通のザフトなら俺も何も言わない。だが、分かっているのか? 敵は3機のGを奪ったザフトのエリート達だぞ?」
「それは……」
「Gに乗ったコーディネーター。つまりはキラと同じだ。お前は、キラとやり合って無事で済むと思っているのか?」
「だが兄ちゃん、地上……特に海上ではストライクとブリッツだけだとキツイだろう? 空中戦が出来るのがフラガ少佐のスカイグラスパーだけってのは幾ら何でも」
マードックの言葉に、思わず苦笑を浮かべる。
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