第二話 ギフトゲーム
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」
目の前の着物風の服を着た真っ白い髪の少女がそう言った刹那、目の前が光り輝き思わず全員が目を瞑る。
そして、目を開けた瞬間――その世界は今まで居た世界とはまるで別のものへとなっていた。
十六夜、耀、飛鳥、勝が投げ出されたのは、白い雪原と凍る湖畔――そして、水平に太陽が廻る世界だった。
「・・・・・・なっ・・・・・・・・・・・・!?」
余りの異常さに、四人は同時に息を呑んだ。
箱庭に招待されたときとはまるで違うその感覚。言葉に出来ない御技に、感動を覚えると同時に驚愕や一分の恐怖を抱く。
遠くに見える空には星がただ一つ。緩やかに水平に回り続ける白い太陽のみ。
まるで宇宙と星の誕生のような奇跡の顕現。
そんなものを見せられて唖然と立ち竦んでしまうのは、いくら最強の問題児でも仕方がないことだった。
「今一度名乗り直し、問おうかの。私は白き夜の魔王=\―太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは試練への挑戦≠ゥ? それとも対等な決闘≠ゥ?」
先ほどの馬鹿みたいな行為をしていた少女と、似ても似通わないその覇気は、まるで底無しの穴を連想させた。
先ほど馬鹿みたいな行為をしていたというのは、ギフト鑑定をしてもらおうと、下層から上層まで名を広く知らしめている大規模商業コミュニティのサウザントアイズ≠ナ、問題児四人のギフト鑑定をしようとその支店の前まで行ったのだが――その前まで来た瞬間に白夜叉(十六夜曰く和装ロリ)は店から飛び出て黒ウサギに(性的な意味?)で襲い掛かったのだ。
しかし、すぐに黒ウサギに投げられて十六夜に足で受け止められるという醜態を晒したのだが――本人は全く気にしていない様子ときていた。これを、馬鹿みたいな行為と言わずに何と呼べばいいのやら・・・・・・。
話しは戻るが、白夜叉の測り切れないその実力。予測も出来ない未知の力の顕現。目の前に居るだけで、まるで重力操作を受けている様なこの感覚。
(あぁ、これだ。僕が求めていたのは、この底の見えない者との対峙! そして、その者への挑戦と底の深さを認識すること! それでも底が見えなければ――あぁ、何て楽しいことだ! それこそがまさに、僕の求めていた答えそのものだ!)
彼は、この感覚に酔ってしまったのかもしれない。
溢れ出てくる探究心と好奇心、そして快感。まるで何千年もの間待ち望んで、ようやく出会えた時のような歓喜。全身の細胞が震え、恐怖し、探究心と好奇心を剥き出しにされ、歓喜のあまりの胸の高揚と煮え立つような血液の叫び。
今、己の全てが彼女を求めていた。底の見えないものの底を確かめるという、無謀極まりない行為――しかし、彼にとってはそれこそが生甲斐なのだ。
いざ、彼女
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