第二話 ギフトゲーム
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の日に殺されているからこそ、時間を短縮して短期決着を着けなければいけないのです。これ以上、被害を出さない為にも」
ここで勝が珍しく話題に乗って口を開く。もしかしたら、これが初めて彼がまともに会話した時なのかもしれないが、今重要なのはそこではない。彼の言っていることが、一理あるというところが、重要なのだ。
いくらジン率いるノーネーム≠竚衆が先ほどのガルドの罪を、飛鳥のギフトにより喋らされたのだとしても、それが決定的な証拠になるわけではないのだ。何せ、死体は全てその部下に食われ、証拠と言う証拠が無いのだから。
それに、あのカフェテラスに居た人物はほんの数十名である。そんな数十名に聞かれた言葉がギフトの力によるものだというのであれば、正直に言えばこちらの分が悪い。飛鳥のギフトには、行動を強制させるような力も宿っているので尚更である。
「で、でももし負ける様な事があれば、更に被害者が増える事に・・・・・・」
「あ、もし負けたら僕はこのコミュニティに入らず、ソロでコミュニティ作るから」
「はいィ!?」
「というか、僕はこんな無意味なゲームに参加する気なんて端からありませんよ? あんな雑魚で箱庭の水準を測るなんて無理そうですし、何より面倒事に巻き込まれたくないというのが本音です。あと、あんな雑魚にも勝てないのであれば、このコミュニティの未来なんて期待できませんから」
穏やかな顔と裏腹に毒を吐きまくる勝。しかし、これはある意味ほとんどの確率で勝がコミュニティに入る事を意味していた。何故なら、先ほど春日部耀はあの虎を難無く組み伏せていたのだから。
そのことを知らない黒ウサギだからか、妙に焦ったような顔をしてオドオドとしながら、十六夜の方を期待するような目で見るのだが――
「あ、俺は参加しねえよ?」
「当たり前よ。貴方なんて参加させないわ」
フンと鼻を鳴らす二人に、黒ウサギは慌てて二人に食ってかかる。
「だ、駄目ですよ! 御二人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」
「そういうことじゃねえよ黒ウサギ。いいか? この喧嘩は、コイツらが売った。そしてヤツらが買った。なのに俺が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ」
「あら、分かっているじゃない。大体、私はあのような外道に後れを取るつもりはないわ」
「・・・・・・。ああもう、好きにしてください」
丸一日振り回され続けた黒ウサギに、既に言い返す体力も気力も残っていなかった。
失う物は一つの可能性に満ちた人材。しかし、この二人であれば何とかやってくれるだろうとそう思い、黒ウサギは肩を落とすのだった。
「おんしらが望むのは挑戦≠ゥ――もしくは決闘≠ゥ?
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