第二話 ギフトゲーム
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てみれば不利な事この上ない状態ではあるのだが――この世界は土地の利権すら賭けてゲームをする場所である。元々がそのような大規模なコミュニティであったとすれば、所持している領地は――今は残っていないとしても、取り戻した時の利益は莫大なものになるだろう。
更に、その領地にもし希少な金属の鉱脈などがあるとすれば――領地として、これ以上のポテンシャルは他に無いと言っても過言ではない筈。その鉱脈から取れた金属を売るもよし、加工して武器として使うもよし、だ。
最初のことを考えれば、確かに辛い部分はあるのだが――後の利益を考えれば、これ以上に美味しいコミュニティは、他にはないのかもしれない。
最終的にその名≠ニ旗印≠フ両方を取り戻した日には――恐らく、東区画最大手のコミュニティとして、再び名を連ねる事になるだろう。
聞くところによれば、その名≠ニ旗印≠ヘ魔王≠ニ呼ばれる天災のようなものに奪われ、更にそのせいで今のジンのコミュニティからは人員まで減っているらしく、更に人員がいなくなったがために、今はジンがリーダーをしなければいけなかった状況ということらしい。
この場合、再起復興の目途は立つことが出来ないに等しい。名≠ニ旗印≠ヘともかく、人員不足という部分においては、流石にどうしようも出来ない。いや、一番大事な人員が居ないからこそ、悪循環に嵌って名≠ニ旗印≠フ両方を取り戻せないでいる。
そこでようやく、勝の心中で自分たちが呼び出された合点がいった。
(つまり、一番大事な人員を補給するために僕たちを呼び出して、現状を打破しようと考えたのか・・・・・・)
この絶望的な状況から後の利益を得る為に一体どれだけの時間を要するのか――勝には、想像がつかない。
(コミュニティの件は保留にして、まず自分にどんな恩恵が宿っているのかが問題だよね・・・・・・)
それによって、これからの方針は大分違ってくることになる。
正直に言えば、今このコミュニティに入るには普通の力ではなく、圧倒的な力が必要になってくる。それが無い者は、きっとコミュニティにとって足手纏いになる。
(力があれば、後を見越した上で一時の安全も相まって入りたいけど――僕にそんな力、宿っているとは思えないんだよね・・・・・・)
先ほど幻獣を捕らえられたのは、単に強力な薬をナイフの刃に付着させ、運良く気配を悟られずにナイフを投擲して掠める事が出来たからだ。真正面からの戦闘になれば、自分の戦闘能力は幻獣を捕らえた時の一割も出せないと言っていいほどの貧弱な力になる。
(体術の心得はあっても、獣相手にそんなもの効くわけないし、未知の力を持った修羅神仏にそれで通用する訳がない。薬の力が仮に通用したとしても、薬は有限な上にこの世
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