第二話 ギフトゲーム
[13/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
(ワーストリミット)
それぞれの名とギフトが記されたカードを受け取る。
すると、黒ウサギが驚いたような、興奮したような顔で四人のギフトカードを覗き込む。
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「トレーディングカードゲーム?」
「ち、違います! というか、勝さんだけどうしていつも皆さんと全く別の的外れなことを言うんですか!? このギフトカードは、顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ! 耀さんの生命の目録≠セって収納可能で、それも好きな時に顕現できるのですよ!」
「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」
「戦略の幅が広がる超素敵アイテム?」
「だからなんて適当に聞き流すんですか! あーもうそうです。戦略の幅が広がる超素敵アイテムなんです!」
黒ウサギに叱られながらも四人はそれぞれのカードを物珍しそうに見つめる。そして、勝が誰にも気づかれないように、苦笑を漏らした。
(火事場の馬鹿力≠ノ無限の欲求≠ニ最低制限=\―僕の本質を表している様なものじゃないか)
面白みがあるのやらないのやら。全くもって、箱庭というのは底無しの宝箱である。
「そのギフトカードは、正式名称をラプラスの紙片=A即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった恩恵(ギフト)≠フ名称。鑑定は出来ずとも、それを見れば大体のギフトの正体は分かるというもの」
「へえ? じゃあ俺のはレアケースなわけだ?」
ヤハハと笑う十六夜の横から、白夜叉はその手に握られたギフトカードを覗きこむと――確かに、正体不明(コード・アンノウン)≠フ文字が記されていた。それ見た白夜叉の表情の変化は劇的なものだった。
「・・・・・・いや、そんな馬鹿な」
パシッと十六夜からギフトカードを取り上げる。真剣な眼差しでギフトカードを見る白夜叉の雰囲気は尋常ならざるものがあった。
「正体不明≠セと・・・・・・? いいやありえん、全知であるはずのラプラスの紙片≠ェ起こすはずなど」
「何にせよ、鑑定は出来なかったってことだろ。俺的にはこの方がありがたいさ」
パシッと十六夜は白夜叉からギフトカードを取り上げる。だが、白夜叉は納得ができないように怪訝な瞳で十六夜を睨む。それほどギフトネームが正体不明≠ニいうことがありえないのだろう。
(そういえばこの童・・・・・・蛇神を倒したと言っていたな)
状況とその功績を分析し、白夜叉は必死に答えを探そうとする。浮上してくる考えはいくつもあったが、矛盾点が多すぎる。その矛盾の大きさと比べれば、ラプラスの紙片≠ノ問題があるという結論の方がまだ納得できた。
その後
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ