第二話 ギフトゲーム
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小僧のギフトの力が、あやつに力を与えているのだとしたら――)
神格を優に超える力の保有。神霊か星霊などの類の霊格が妥当な線になるが、その可能性を苦笑とともにすぐに否定する。ただの人間が、神霊や星霊になるなどはまず不可能。それも箱庭に来てまだ間もないとくれば尚更である。
打ち上げられたガルムとクラウチングスタートの体勢を取る勝。ガルムは反撃を試みようとしたようだが、次の瞬間には常軌を逸した神速の蹴りを入れられ地面をバウンドしながら転がる事になる。
(――偶然や技術ではない。やはり、眼鏡小僧のギフトは身体能力に関与する何かなのかの?)
しかし、いくら身体能力に関与するギフトといえど、神格保有者であるガルムをそれ単体で倒すのはあまりに無理がある。人間が神格を倒せるほどの身体能力関与のギフトなど、いくら東側の階層支配者(フロアマスター)≠フ白夜叉といえども、その事例を聞いたことは皆無だった。
ガルムが体勢を立て直し、全方向全てに注意を向けている。刹那、勝が再びガルムに向けて蹴りを入れようとするが――その脚部を、ガルムに食い千切る勢いで噛みつかれる。そして勝はお返しとばかりに、恐らく毒が塗られているであろう折り畳み式のナイフをガルムに投擲し、その肌を薄く切りつける。
しかし、常人であれば今の速度は見えなかっただろう。白夜叉だからこそ、今の行動が見えたのだ。
(今の噛みつきで、足を失わない・・・・・・と? あの軍神の腕すらも食い千切った歯が、人間に通用しないとは――本当にどうなっているのだ? それに、私と同じ星霊の気配を放っている様な・・・・・・まさか、あやつは――)
――と、白夜叉の思考を遮る様にして勝とガルムの勝敗が決した。勝が勝利し、ガルムが敗北。
(今は、こやつらの成長を見守ることにしようかの。――これだから、下層というのは面白い)
と、別方面でやっていたギフトゲーム鷹獅子の手綱≠熄沐sが決したらしい。
白夜叉は期待と嬉しさの笑みを浮かべて、全員をこちらに召集させるのだった――
「では、賞品としてはちと贅沢ではあるが――コミュニティ復興の前祝だ。受け取るがよい!」
白夜叉からの賞品の贈呈。現れたのは、十六夜、飛鳥、耀、勝と四人分のカードだった。
コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム正体不明(コード・アンノウン)
ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム威光
パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム生命の目録(ゲノム・ツリー)∞ノーフォーマー
バイオレットのカードに古東勝・ギフトネーム火事場の馬鹿力∞無限の欲求(アンリミデット・デザイア)∞均衡∞最低制限
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