ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
Raging bull
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るシリカが猫耳を動かしながら応じる。
「ほんとに……意外ですよねえ。2人の性格からして本当なら真逆なはずですし」
そう。2人の戦闘スタイルは対極する部分が多い。
キリトが有無を言わさぬ特攻タイプなのに対して、レイは向かってきた敵を返り討ちにする迎撃タイプ。2人とも一撃必殺の重攻撃を好んで使うが、キリトは先手を取ろうとするのに対し、レイは隙を作ってから安全確実に当てる。
「いやいや、キリトのヤローも案外計算高ぇからな。策謀はレイだけの専売特許じゃねぇってこった。レイが参加者をテキトーに減らすまで隠れてる気かもよ?」
と、これは部屋の隅のバーカウンターに陣取ったクラインの台詞だ。それを聞いたアスナは思わず苦笑した。
「いくらキリト君でもそこまでしないわよ。……逆ならあり得なくないケド……」
小さく付け足した声に、左肩に乗る小妖精のユイが羽をパタパタさせながら言った。
「そーですよ、にぃなら高笑いしながら敵をバッサバッサ切りまくりです!」
もしこの場に本人が居たなら、「んなわけあるか!?」と、ツッコンでいただろうが、もちろん本人は居ない。
「あっはは、それはありそうだね。アイツちょっと戦闘狂の気があるから」
リズベットの言葉にセラは苦笑しながら頷き、全員がその場面を想像して、朗らかに笑う。
と、その時。
「おーっす。邪魔するぜ」
部屋にぞろぞろと入ってきたのはカイト、ホルン、ユウリ、アード、リオそして見慣れぬ影妖精の青年だ。
「いらっしゃい、カイト君。ちょっと狭いけどごめんね」
「んにゃ、構わない。……今どんな?」
「そんな事よりカイト、そいつ誰よ?」
顔見知りの中に1人だけ馴染みの無い顔を見つけたリズがソファから首だけ向きを変えながら訊ねる。
「ん、リズは会ったことないのか?アスナ」
「友達に会いに行くのに護衛は付けないよ〜。あのね、リズ。この人はロイド君。元Kobメンバーで……その、私の護衛だった人よ」
語尾が段々と小さくなったのは恥ずかしさ故か。紹介を受けたロイドは後頭部に手をやりながら全員に自己紹介した。
「あれ?でもあたし、ロイドさんらしき人を学校で見ないんですけど……?」
互いに大方挨拶を済ませた所で、シリカが疑問を口にする。
「それはだな、シリカ。コイツだけ選択科目を意図的に全部被らしてないからだ」
「オイコラ、カイト。人が気にしてる事を……」
実際、ロイドは普通に学校に居る。ただロイドは陽気で大らかな性格ではあるが、天然バカではない。彼なりの配慮もあって特にキリトやアスナ、レイとの接触を避けていたのだ。
『護衛』という言葉からアイツを思い出さないように、と……。
そうやって無理をしているのを見か
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