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我が剣は愛する者の為に
猫耳フードの男が大嫌いな少女
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のだろう。
俺の眼から見て武道の嗜みをしているように見えない。
華琳の一閃を避ける事はできない。
荀ケが一歩も動かないところ見て、華琳は笑みを浮かべる。

「もし、私がこのまま振り下ろしていたら、どうするつもりだった?」

「それが天命と、受け入れていました。
 天を取る器に看取られるのなら、それを誇るこそすれ、恨むことなどございませぬ。」

「嘘は嫌いよ。
 本当のことを言いなさい。」

「曹操様のご気性からして、試されたのなら、必ず試し返すに違いないと思いましたので、避けるつもりなど毛頭ありませんでした。
 加えて、私は文官であって武官ではございません。
 あの状態から、曹操様の一撃を防ぐ術は、そもそもございませんでした。」

これらの荀ケの挑発的ともいえる理由を聞いて、華琳は大きく笑いだした。
春蘭は何が可笑しくて笑っているのか分からず、戸惑う。

「最高よ、桂花。
 私を二度も試すその度胸と知謀、大いに気に入ったわ。
 あなたの才、天下を手に入れるために存分に使わせてもらうわ。」

「はいっ!」

「手始めにこの討伐行を成功させなさい。
 糧食は半分と言ったのだから、もし不足したらその失態、その身で償ってもらうわよ。」

「御意!」

「では、準備が整い次第、出発する!」

華琳の号令に春蘭、秋蘭、荀ケは持ち場につく。
俺も一刀も持ち場につく為に移動する。
その最中。

「そういえば、あの時一刀は動じていなかったけどどうしてだ?」

あの時とは、寸止めの時だ。
俺や春蘭や秋蘭は華琳が本気でない事は雰囲気などで察したから止めなかった。
一刀も最初は心配そうな顔をしていたが、寸止めの時はさほど動じずに見ていたので気になった。

「何て言うのかな。
 縁と修行した成果なのか、何となく華琳は寸止めするだろうなって分かったんだ。
 本気で斬ろうと思ったのなら、太刀筋や気配で分かっていた・・・・と思う。」

「そうか。」

それを聞いて、俺は自分の頬が緩んでいるのを感じた。
弟子ともいえる一刀が確実に進歩しているのが目に見えて分かったから嬉しい。
乱暴に一刀の頭を撫で、俺達は賊を討伐する為に進軍を開始した。
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