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我が剣は愛する者の為に
猫耳フードの男が大嫌いな少女
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だろう。

「桂花。
 あなたはこの曹操を試したわね?」

「はい。」

華琳の問いに真っ直ぐな瞳で答えを返す。

「なっ・・・こいついけしゃあしゃあと!
 華琳様、このような無礼者の首、即刻刎ねてしまいましょう!」

「あなたは黙っていなさい!
 私の運命を決めて良いのは、曹操様だけよ!」

「ぐっ・・・貴様!」

少女とは思えない気迫を当てられ、頭に血が上ったのか春蘭は剣を抜こうとする。

「はいはい、落ち着け。」

「縁、邪魔をするな!」

とりあえず、後ろから押さえつける。

「華琳が斬れって言うのなら止めないが、あいつはまだ何も言っていない。
 ここで荀ケを斬れば主の名を汚すことになるが、いいのか?」

「うっ・・・それは・・・・」

「なら、落ち着け。」

俺が説得すると渋々と言った感じで剣を下げる。

「桂花、軍師の経験は?」

「はっ、ここに来るまでは南皮で軍師をしておりました。」

南皮、袁紹が治める領地の一つ。
袁紹は華琳と腐れ縁らしく、彼女からも何度か袁紹について色々愚痴のような事を聞かせて貰った。
一言で言えば馬鹿だ。
大方、ここに来たのは華琳の名声と人柄に惚れ、さらに袁紹の軍師に嫌気が差したのだろう。

「どうせ、あれの事だから、軍師の言葉に耳を傾かなかったのでしょう。
 それに嫌気が差して、この辺りに流れてきたということかしら。」

「いいえ、違います
 私は一目、曹操様を見た瞬間感じました。
 全てを捧げるお方だと。
 故に、袁紹の元を離れ、こちらまで赴きました。
 もしこの荀ケ、ご不要とあれば生きてこの場を去る気はありませぬ。
 遠慮なく、この場で斬り捨ててくださいませ!」

決意の言葉に華琳は何も答えない。

「春蘭。」

そう言って春蘭から鎌を受け取る。

「か、華琳様。」

「お、おい、華琳。」

一刀と秋蘭は心配するような表情で華琳を見つめる。
俺は何も答えず黙って見届ける。
鎌の刃を荀ケに向ける。

「桂花。
 私がこの世で最も腹立たしいこと。
 それは他人に試されること。
 分かっているかしら?」

「はっ、そこをあえて試させていただきました。」

「そう。
 ならば、こうする事もあなたの掌の上ということね。」

鎌を両手で持った華琳は荀ケの首を狙って、振う。
刃は荀ケの首を斬り裂き、切り口から血が噴水の如く・・・・・・のようにでない。
荀ケの首に当たる直前に、止めているからだ。
髪を数本斬れたのか、刃を引くときに空に舞う。
少しでも荀ケが動いていたら、刃は首を両断していただろう。
死ぬかもしれない状況で、荀ケは一歩も動かなかった。
いや、動けなかった
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