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我が剣は愛する者の為に
猫耳フードの男が大嫌いな少女
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の最終確認をなさいます。
 こうして責任者を呼びますし、行き倒れになりません。」

「なっ!?
 馬鹿にしているの!?
 春蘭!」

「はっ!」

傍に控えていた春蘭は剣を抜く。
おそらくこれもわざと。
華琳は自分が試されるのを嫌う。
嫌うがそれを超えた時、その人物を高く評価する。
これも自分を傍で使ってほしいが為の発言だろう。

「まぁまぁ、華琳。
 理由は後二つある。
 それを聞いてから判断するのは遅くないはずだ。」

「私も縁の言葉に同意です。
 ここで斬り捨てるのは尚早かと。」

「・・・・・・続けろ。」

華琳に限って、斬り捨てる事はしないと思うが一応口出しさせてもらった。
俺自身も興味がある。

「二つ。
 糧食が少なければ身軽になり、輸送部隊の行軍速度も上がります。
 よって、討伐行全体にかかる時間は大幅に短縮できるでしょう。」

確かに荷物が少なくなって身軽になれば、動き速くなる。
だが。

「ん?
 なぁ、秋蘭。」

「どうした、姉者。」

「行軍速度が上がっても討伐にかかる時間は半分にならない、よな?」

「ああ、その通りだ。」

「よかった、頭が悪くなったと思ったぞ。」

「そうか、良かったな、姉者。」

「ああ。」

二人の会話の言うとおりだ。
幾ら足が速くなっても、討伐に時間がかかれば意味がない。
むしろ、討伐に時間がかかればかかるだけ糧食が必要になる。
戦うだけお腹は減る。
これは生き物として当然だ。
あと、春蘭。
秋蘭、物凄く馬鹿にしたような顔をしているぞ。

「まぁいいわ、次の理由は?」

それも分かっていない華琳ではない。
敢えて口に出さずに、最後の理由を聞く。

「最後に三つ目ですが、私が提案する作戦を採れば戦闘時間はさらに短くなるでしょう。
 よって、この糧食で充分だと判断いたしました。
 曹操様、この荀ケを曹操様の軍を勝利へ導く軍師として、お加えください!」

荀ケ、と名乗る少女の名前を聞いて、内心驚いていた。
荀ケ。
若くして「王佐の才」とも称揚され、曹操の下で数々の献策を行い、その覇業を補佐した人物。
女の子であると予想していたが、こんな少女だったとは予想もしていなかった。
一刀に視線を向けると、彼も驚きを隠せないでいる。
糧食を半分に指定したのは、自分が軍師として戦う為を想定しての事だろう。
春蘭と秋蘭も命を懸けて自信を売る荀ケの言葉に驚いている。
華琳は黙ってその言葉を聞き、口を閉ざしている。

「荀ケ、あなたの真名は?」

ようやく言葉を紡いだ後、そう尋ねた。

「桂花でございます。」

何の躊躇いもなく真名を口にする。
それだけ忠誠を誓っているの
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