30*子供の喧嘩に親が出る
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地面を蹴り飛んだ。
そして
「な!?」
「自分がいつ、魔法を使った?」
翼も無いその青年は、そのまま静かに宙に浮きはじめたのである。
魔力が封じられた空間で、魔法が使えない者がそんな事を出来る。
つまりこの青年は、魔法以外の何か、別の能力を使っているのである。
今まで優位に立っていると思っていた彼にとって、これは恐怖以外の何物でもなかった。
「土下座して泣いて謝るんなら許してやるよ」
明らかな挑発。
そして完全に見下した眼で見られたガーリクルは、恐怖にふるえながらも自らのプライドを優先させて虚勢を張る。
「だ、誰が!私の勝利は揺るぎ無い!謝るのは貴様の方だ!!」
そう言って彼は、全てのゴーレムを一斉に襲いかからせる。
なんの動きも無いナルミを見て、再び勝ったと思ったが、それは即座に裏切られる結果におわる。
「絶好調である!!」
そうナルミが叫ぶと、彼の背中から美しい巨大な蝶の羽のようなモノがあふれ出した。
襲いかかっていったゴーレム達は、それに触れると全て跡形も無く砂になり、消えて行った。
それを見た時、ガーリクルは悟った。
自分がここで負けるのだ、と。
だが、彼にそれを素直に認める事が出来無かった。
彼は異常なプライドを持ち、それを誇示するためにはなんだろうとするような者である。
そのために裏でいろいろと手を回し、対立するランドルフ家の失脚や王家の乗っ取り等をたくらんでいたのだ。
そんな彼がこんな若造一人に負けるなど、認めるはずも無い。
「どうだい負け犬、泣いて許しを求めるなら許してやんよ」
自らの力が及ばない恐怖と、負けを認めれないプライドとで葛藤をしていた彼にナルミが放った言葉は、あまりに彼を馬鹿にしていた。
そしてそれを聞いた彼は、自らの首を締める決断を下してしまった。
「だれが貴様なぞに!!行け!我が最大の下僕“ルーガ”!!」
彼はありったけの魔力を注ぎ、今自らが出せる最強のゴーレムを造りだしたのだ。
しかし、彼は視界の端に捕らえたナルミのいびつな笑顔を見て、今までで一番の恐怖を感じた。
そして、自らの下した愚かな決断を心の底から悔やむハメにるのである。
〜ナルミサイド〜
あまりに凶暴で、愚かで脆い。
そんないい歳のムカツクオッサンが目の前で震えているのを見るのは、なかなかおもしろい。
特にこいつは自分をひょろ長いと表現した奴だ、なおさら気持ちがいい。
「どうだい負け犬、泣いて許しを求めるなら許してやんよ」
そしてナチュラルハイのように絶好調な自分は、こうやって考えるより先に口が挑発の言葉を繋ぐのである。
これで負けを認めるならよし、認めないなら……そん時考えよ
「だれ
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