30*子供の喧嘩に親が出る
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そんなナルミに恐怖感を覚える貴族達を尻目に、ナルミはシルバを体から離し、後ろに下げた。
「少し、離れててくれない?巻き込みたくないからね」
その言葉に従い、シルバはトタトタと自らの母の元へと行き、心配そうにナルミを見つめ、呟いた。
「先生、大丈夫かな……」
「シルバ、旦那様を信じてあげるのが奥さんの仕事よ。きっと大丈夫だから、信じてあげなさい」
そう言って娘の頭を撫でるリリス。
彼女の言葉を聞いて安心したシルバは、今度はしっかりとナルミを見つめる。
こうやってシルバの妄想癖は、母の教育により強化されていくのである。
「では、はじめようか」
ガーリクルはそう言うと、静かに、だけどしっかりとした口調で呪文を唱えはじめた。
そして、奴がそれをはじめた時から異変はおこった。
「これは……周りの魔力が無くなって……」
最初にそれに気付いたのは、リリスだった。
普段魔法を使う者は、体内で自己生産される魔力を使い魔法を使う。
しかし、魔力とは体内だけでなく自然の中にも大量にある物なのだ。
それを完璧に扱う事が出来れば、体内にある有限の魔力を使うよりもより強大な魔法を連発出来るのである。
ただ、不純物が多く不安定で扱いずらいため、一部の者か、特殊な道具を使うしかそれを扱う事が出来ない。
そして、ガーリクルはナルミがその自然の魔力を扱っていると考えたのである。
そしてそれを遮断するため、自らの得意な結界術を最大まで生かしたこの魔法を使えばナルミの力を封じこめるという結論にいたったのである。
「……封魔結界“アラトス”!!」
彼がそう言い終わると、二人を囲むように円筒状の巨大な光の筒が完成した。
そしてそれが出来た事により、勝利を確信したガーリクル。
「ふ、はははははは!自然魔力がなければ貴様なぞ、ただの若造に過ぎん!なぶり殺してくれるわ!!」
そう言って彼は一瞬にして無詠唱で18体もの小型ゴーレムを地面から造り出した。
この、結界術と土ゴーレムの能力があったからこそ、彼は今の地位にいると言っても過言ではない。
だからこその自らの勝利を疑いもしていなかった。
この時までは
「あ、終わり?つかゴーレムって、どこのギーシュって話ですよ」
普通、ゴーレムには打撃はきかない。
すなわち魔法で対抗するしか手段は無いのだが、この青年は魔力を封じられているにもかかわらず明らかな余裕の表情を見せていた。
ガーリクルの脳裏に不安がよぎる。
だが、それを即座に否定して彼はナルミをしっかりと見据えながら口を開く
「ふん!強がっても無駄だ!魔法を封じられた貴様が私に勝つ事など出来ん!!」
「魔法、ねぇ……」
ナルミはそう言いながら、
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