30*子供の喧嘩に親が出る
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が、なんか気持ちいい。
そんなよくわかんない気持ちをふわふわしながら味わってると、今まで頭が埋まってぴくぴくしてた鎧さんが、這い出してきた。
「……グッ……ガハッ…!!」
そしてふらふらしながら兜を取り、血を吐いた。
なかなか渋い金髪碧眼のゴリマッチョである。
「げっ、効いてねェ」
いや効いてるけどね?
血吐いてるし、ふらふらだし。
けどもこの場合はこれを言わなきゃならない気がした。
しかし……普通はここまでやられたら斧とか捨てて降参しない?
なぜにまだやる気でそんなの握ってんのさ。
眼の焦点合ってないのに、ご苦労様だね。
さて、どうやって意識を刈ろうか。
「ストゥール!!」
自分がゴリマッチョをどう料理するか考えてると、後ろからイミフな叫びが聞こえた。
多分声からしたら声変わり前の男の子っぽい。
「ん?」
そしてその声に反応して後ろを向く自分。
そこには、白マントの子供が杖を掲げてる姿と、自分に向かってくる三つの直径1メートルくらいの水の塊が。
……あ、当たる。
「おおぅ!」
ドバッシャァァン!
自分を中心に盛大な水しぶきが上がり、辺りが霧に包まれる。
そしてそれを見たキザ男は
「……ふ、フハハハハハ!どうだ!これが僕の力だ!!僕に歯向かった事を死んで後悔するんだな!!」
と、高らかに勝利宣言。
つかお前の力って、どこらへん?
そしてさぁ、勝手に人を殺すなよ。
「フハハハハハハハハ………は?」
「チャオ♪」
霧が晴れたら目が合ったので、とりあえず手を振って挨拶しといた。
したらよほど嬉しかったらしく、口をおもいっきりあんぐりさせながら見入ってくれた。
うん、実に愉快。
サイマグネットはこの世界なら万能かも知れないな。
そしてそいつはふるえながら、自分を指指してもつれた舌でこういいはじめた。
「な、なななな、なんで生きてる!?あ、あああれはチーの全魔力を注がせた最上級魔法だぞ!?」
ん?
全魔力?
よく見ると、キザ男の横には倒れて虫の息になった白マントが。
……ほぉう。
「つまりあれか。貴様はその子が倒れる程の魔力を使うように命令して、やらせたんだな?」
「な、何が悪い!デ、デデ、デリ!さっさとこいつを殺せ!!」
そうキザ男が言うと、後ろでふらふらしていたゴリマッチョが、再び自分に切り掛かってくる。
頑張ってるようだが、バラバラの能力の前にはぶっちゃけなんの意味もない。
なのでそんなのは無視して話を続けようとする。
「じゃあなんのけ……」
ズバッ!!
続けようとしたが、上顎と下顎で見事に分けて切られたので続ける事が出来なかった。
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