30*子供の喧嘩に親が出る
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姫様。いかがなさいました?」
「……ナルミの事について、話がありまして」
いつもとは違う、真剣な顔でリリスを見るエリザと、何がいいたいかわかっているようなリリス。
「ナルミさんが、なにか?」
「ええ、いろいろと問題が」
周りにいた貴族達も皆、ナルミが去った後各々で再び会場に戻ったり家に帰ったりしているので誰もいない。
ただ、いまだに伸びてるガーリクルがそのまま放置されてる所を見ると、彼に味方はいなかったようである。
そして、その誰もいない広場で意を決したようにエリザが言い放つ。
「サザールス公爵家の奴隷保有の証明、癒着や賄賂の摘発、さらには本人との直接的な決闘での勝利。これらを踏まえてナルミは……現在の地位からどれくらい上がると予想しますか?」
「少なくとも、入れ代わるまではいかないけど候爵までは上がると思いますわ。でもそこまでいくとさすがに姫様の近衛隊に置いておくのは難しいかもですね」
ガーン!!
そんな音が聞こえる程にショックを受けるエリザ。
「や、やっぱりか……」
普通近衛隊と言うのは、王族の事を命を張って護る者である。
下級貴族ならともかく、その命を張る者が国にとって重要な上級貴族などありえないのだ。
したがって、ナルミがこのまま上級貴族の仲間入りをするとエリザの近衛隊として置いておく事ができないのである。
それを知って限りなく落ち込むエリザに、リリスは優しく手を差し延べす。
「姫様、大丈夫ですよ。私にいい考えがあります」
「……考え?」
「ええ、今のナルミさんの立場を利用した、それでいてナルミさんの爵位の上昇も阻害しない、むしろ彼の立場をさらによくする名案が」
……こうして、ナルミ本人のあずかり知らない所で着々と彼の地位は向上していくのであった。
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