28*一日張り付いてみました
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なんかあのお方が貴族って想像しにくいかも……」
そんな会話をしばらく続けていたが、今は彼女達は本来仕事中のはずなのだ。
そろそろ戻らねば色々危ない。
「じゃあ、そろそろ解散しましょう。いい?今日の事は誰にも言ったらだめだからね」
「はい、わかってます」
「………りょーかい」
「………腕の痣、跡残んないよね…」
そう言って彼女達は解散した。
とはいえ、シルバ以外の三人は同じ場所へ向かうのだが……
「どうしたんですか?」
オダンゴ頭だけが残ってシルバの肩を掴んだのだ。
そして彼女は口を開く。
「………じつは、まだ他に大切なことを言っていない」
そう勿体振りながら、彼女はゆっくりと話を続ける。
「………四日後にある晩餐会にナルミ様も貴族として出席する事と、ナルミ様は祖国のしきたりからあと半年は結婚できないという事が判明した」
「半年……ですか…」
その報告はシルバを落胆させるには十分だった。
なにせ彼女は今すぐにでも結婚するつもりでいたのだ。
ナルミの意思は関係なく、彼女の頭の中ではもう決定していた事柄でる。
まことに、ヤンデレとは恐ろしい。
だが、肩を落としているシルバに彼女はもう一つ、重大な報告をする。
「そして、こっちの方が重要なんだけど……」
そう言いながら唇を舌で湿らし、すこし間をおきゆったり口を開く。
「とうとうナルミ様の、旅の日取りが決まった。」
その報告は、シルバの気持ちを復活させるには十分過ぎる威力があった。
そして、彼女は動き出す。
目的のため、手段を選ばずに。
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