28*一日張り付いてみました
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」
「……自分、そんなものいらないです。はい、荷が重いです」
力無く魔王の問いに答えるナルミ。
だがどこか的外れな答えである。
「まぁ、議会でもう決定した事だからもう拒否はできないぞ」
「……はぁ……わかりました、わかりましたよ!」
そう言って書類に名前を書くナルミ。
半ばあきらめたような、それでいてやけくそな複雑な顔をしている。
さて、この一連の出来事中、天井裏に潜んでいた四人はどういう反応をしていたかと言うと…
「あ……愛の巣……私と先生の…キャー!!」
「ヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテ痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!ちぎれる裂ける爆ぜるもげる!!」
「あんたらいい加減本当うるさい!!」
ガスッ!!ゴスッ!!
王妃の愛の巣という発言により、輝く未来へと意識をワープさせたシルバが再びスフィーの腕を持っていこうとしたので隊長式鉄拳制裁が再び下された。
「だからなんで私まで……」
悶えるスフィー。
だが、シルバはと言うと
「っつ〜……隊長さん!私達の幸せが妬ましいからってひどいです!!」
この調子である。
隊長がこのままでは危険だと判断し、早々に見張りをオダンゴ頭にまかせ、二人を連れて別室に行くという判断は正しかったようだ。
従って、ここは今天井裏ではない。
近くにあった倉庫に隠れているのである。
倉庫と言っても、王族ゆかりの剣だとか落書きとも記号ともわからない国宝の絵画がしまわれたりしている所である。
そしてそこに響くのはスフィーの悲痛な叫びである。
「ギャーーー!!だから骨折れる痛い痛い痛い痛い腕!ヤメテ腕!!」
ガンッ!
鉄拳により再び沈黙する二人の乙女。
「いい加減にしなさい!うるさすぎ!あなたもはやくスフィーから手を離して!!」
そう言ってシルバをスフィーから引きはがす隊長。
スフィーの腕はもはや手の形に鮮やかな痣が出来ている。
「……まったく、あなた達本当に近衛隊員?よくいままでやっていけたわね」
「………………私悪くないのに」
「…………女の嫉妬は醜いです」
「ああん!?」
「「ごめんなさい」」
ようやっと落ち着いた二人は、綺麗に揃って頭を下げた。
そしてそれと同時くらいに
「………収拾ついた?」
オダンゴ頭がやってきた。
「やっとね……疲れたわ」
「……お疲れ様です。こちらもあのあとは特に何もなかったです」
そう言って彼女はナルミ達の会話を説明する。
「………以上が、あなたがたがいなかった間の出来事です」
「そうですか……わかりました」
「で、結局ナルミ様は貴族になられたのですね」
「うーん……
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