28*一日張り付いてみました
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、薄暗い部屋の中で二つの陰がうごめいていた。
「聞いたか?」
「うん、聞いた。どうする?」
「決まってんだろ……早速準備だ!」
「いつになるかもわからないのに……とりあえず、これは僕らだけの秘密だからね」
「ああ、それはわかってる」
「本当かなぁ……」
またここで、静かにそれぞれの思惑が動き出す。
〜シルバサイド〜
彼女達は今、魔王の私室の天井裏に潜んでいる。
最初、他の隊員達が見張っていたのを隊長権限と詭弁でごまかして交代させたのだ。
彼女達が来た時には、ガルクやエリザ達となにやら難しい政治のお話しをしていたのだが、今は話しが終わり魔王と王妃、そしてナルミだけがのこっている
潜んでいる途中、ガルクが彼女達の潜んでいるところを凝視してヒヤヒヤしたり、ナルミが神との交流があるかも知れないという事が発覚したりと色々あったが、今の所問題無く事は運んでいる。
そして、ナルミだけが呼ばれた理由は四人もだいたい予想はついていた。
「やっぱり、休暇の日程が決まったのでしょうか?」
「多分、そうだと思うけど……」
「…………まだ、なんとも言えない」
そんな会話をする王妃の近衛隊の三人娘。
そしてその横では
「……寝袋に魔石灯、あとは…」
ついていく気満々のシルバが旅の準備に必要なモノについて考えていた。
「…シルバ、なにぶつぶつ言ってんの?」
「あ、いえなんでもないです」
そんな事をしているうちに、王妃とうとう本題を口にした。
「で、今回呼び止めた理由なんですけど……ナルミさんに貴族としての地位を与えようと思うの」
「ほぇ?」
これはシルバの発言である。
あまりに予想外な内容に、つい感情が声になってでていったのだ。
他の三人も、王妃が何を言っているのを理解するのに頭がついて行かない様子である。
「き、貴族!?休暇についてでなく!?」
そして話の中心であるナルミもまた、混乱を隠せないでいる。
だがそんな彼の反応もものともせず、王妃は事もなげに話しを続ける。
「ええ、休暇ももう実は大丈夫なのだけど、一旦こっちを優先しておくわ。実はガルクに頼まれたの、形だけでも貴族として扱う事は出来ないかって。いくらあなたでの今の地位が近衛隊名誉顧問だとしても、出身が平民で貴族の地位も無いから、貴族の娘と結婚は難しいのよ」
その言葉に一番反応したのはもちろん
「王妃様から……認められ……てる?……私達が……?」
「シルバさん、戻ってきて下さい。そして痛いです、腕を握らないでください」
シルバである。
そしてその被害を被っていろのはスフィーの右腕である。
そしてスフィーの願いは叶う
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