28*一日張り付いてみました
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案の定というか、やはりいろいろと勘違いをしている四人娘。
そんな事をしている三人に、さらに自身が分析したことを話す少女。
「………そして、ナルミ様はあれをつねに持って歩いている。つまり彼は祖国への、自らの主君への忠誠をいまだに持っているが、それでもなおこの国を救うために祖国を捨てたという事になる」
しんとなる天井裏。
なにか冷たい物が彼女達の胸に広がっていく。
「………これは、遊びで見ていい物ではなかった。私達がやった事は、ナルミ様への冒涜だ」
それがトドメとなり、彼女達の心に突き刺さる。
当のナルミからしたら、吹き出しながら全力で否定するであろう言葉も、彼女達にとっては致命傷となるモノであった。
思い込みとは、げに恐ろしいモノである。
ちなみにそれからしばらく、彼女達はその場から動く事が出来ず静かに泣いていた。
それにより、兵士達の間ではしばらく“啜り泣く亡霊”の噂が広まったのはまた別のお話しである。
それからしばらくして、だんだん皆も落ち着いてきた。
「……み、みんな、落ち、着いた?」
最初にそう切り出したのは隊長である。
彼女もまた、目は赤く呂律がビミョーに回っていない。
「は、はい……ぐす……なん、とか」
「……スン……大丈夫…です」
彼女の問いに答えたのはシルバとスフィー、もう一人はマイペースにお昼ご飯を調達してくるといってどこかに行っている。
「………まだ、続ける?」
隊長の言葉で再び沈黙が訪れる。
重い沈黙がしばらく続いたが、それを最初に打開したのはシルバであった。
「………続けます。こんな半端なところで止めたらそれこそお遊びだって証明してるようなものです!私は遊びではなく、本気で先生が旅に出る前に先生の事が知りたいんです!!」
そう高らかに宣言し、赤い眼で隊長を見据える。
その眼を見て彼女の言葉が本気だと感じた隊長は、小さく頷きスフィーに聞いた。
「スフィー、きみは続ける?」
「はい、私も続けます。私もナルミ様の、いえ、真の英雄の姿を見てみたいです!!」
そう言いながら小さく拳を作るスフィー。
彼女もまた、本気で答えている。
だが、客観的に見るとどうにも当初の目的とはズレている気がするが、それには誰も気が付かない。
そして二人が決意を見せたところで、見計らったようなタイミングで何かを持った少女がでてきた。
「………新作お菓子、カルミャヤキの試作品を貰った。それと、ナルミ様はエリザ姫様と共に、魔王陛下に呼ばれたらしいが……どうする?」
「「行きます!」」
かくして、新たな決意と共に少女同盟(仮)が再び動き出すのであった。
〜???サイド〜
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