28*一日張り付いてみました
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か?」
そう言いながらナルミが板を触ると、漆黒に塗り潰されていた方が急に海を思わせる青に変わった。
それからしばらくすると、青に染まった部分がまたも急に変わりそこにあったのは…
「……ひっ!」
「んなっ!」
「…………」
「あれは……誰……」
黒い扇を右手に持ち、黄金の玉座に座る黒髪黒眼の優雅な女性がそこにいた。
妙齢ながら端正な顔立ちに紅を基本に彩られた異国の衣装、髪にはどこかの王冠のようなモノや見た事がない髪飾り、漆黒の瞳は全てを見透かすかのようにまっすぐ眼前の青年を見据えている。
「……壁紙、アリカ様か……いつのだ?つか地獄の門とか大分古いな」
ナルミ自身も予想外みたいだったが、全く動じずにまたも板をいじり出す。
よくわからない言語の歌を歌うあたりから余裕が見て取れる。
そしてまたすぐに板が白く変わり、こんどは文字がうつし出される。
そして崩れ落ちるナルミ。
「………わかってましたけどね。これは携帯と違うって」
そう言いながら、また先程の女性を出現させた後、板を青から黒に変えそれをしまう。
そしてため息をつきながら彼は部屋を後にした。
「あれは一体誰なんですか!?」
「わかりません!あんな女性、私も見た事が無いです!!」
「黒髪黒眼……彼女もまた人間なのか?」
スフィー、シルバ、隊長の順に慌てながら話しをはじめる。
それほどまでにさっきの女性の印象は強烈なのだ。
そこで一人、おだんご頭の少女が冷静に言葉を発する。
「…………あれ、ただの絵じゃない?」
あたらずとも遠からず。
だがこれに反発する隊長とスフィー。
「あんな精巧な絵がありますか!」
「そうですよ先輩!あれはきっと封印された精霊か何かですよ!!」
「………封印ならむしろ魔法陣がでると思うし、文字が被さってたから多分絵だよ」
「じ、じゃあ、なんですか?あれは誰の絵なんですか!?」
控えめにシルバが質問する。
冷静さを装ってはいるが、誰が見てもわかるくらい動揺しまくりである。
シルバの質問に、少し考えた後に彼女は答える。
「……多分、あれはニホンの女王だ。ナルミ様がわざわざ様付けで名前を呼んでるし、玉座に座っていて王冠のようなものもしていた。服も見た事がないくらい気品に溢れていて、それを当たり前のように優雅に着こなす彼女はほぼ間違い無くニホンの頂点に君臨する女王だろう」
その言葉に愕然としつつも、どこか納得できた三人。
それだけあの女性は優雅さと気品、そして威厳に包まれていたのだ。
「……あれが…先生の国の女王…」
「うちの国の王妃様とはまた違う怖さを感じます……」
「名前は……たしかカベガミアリカ様か…」
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