第一幕その八
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える。こっそりと彼女の目を見詰める。
「私でよければ」
その手を受け取って言う。
「御願いします」
「この方はポルカがお上手ですの」
彼の手を握ってハンナに述べる。
「そしてマズルカも。右へも左へもステップされて」
「本当にお上手なのですね」
「ええ。それに今からはじまるワルツだって」
「奥様、あまり褒めないで下さい」
まんざらでもない笑顔で男爵夫人に言う。
「照れてしまいます」
「あら、これは失礼」
男爵夫人も思わせぶりに笑ってそれに返す。
「それでは」
「ところで奥様」
カミーユは真面目な顔でハンナに言ってきた。
「何か」
「鞘当ては女性がするもの」
こう言うのだった。
「それはお忘れなく」
「え、ええ」
少し戸惑いながらそれに応える。
「わかりましたわ。それでは」
「はい」
二人はそのままカップルになる。すっぽかされた男爵は仕方なく踊り娘の一人と組む。何か周りからは何があるかわかるような流れであった。
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