26*ある種の公開処刑
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で、自分達は今中庭の茂みに落ちてきた。
「…う〜…な、何が起こったのだ?」
「城に帰ってきた」
「…………もう慣れた、今度この転移術について教えてくれ」
そう言ってぐったりするエリザ。
自分とシルバちゃんも例外無くぐったりしている。
やはりあれは、観ているだけで精神とか心とかなんかが疲れる。
「……とりあえず、戻ろう」
こんな所にいつまでもいる訳にも行かないので、部屋に戻る事を自分は提案して茂みから出る。
それについて二人も出て来る。
「あたっ」
そしてなにかにぶつかる自分。
そのなにかとは
「…先生、何やってるんですか?」
ムー君だったりする。
彼は自分を見て、そのあと後ろの二人を見る。
そしてため息。
「先生、シルバはともかく、姫様にまで手をだすなんて……さすがにそれは…しかもいっぺんに食べましたか」
「よし、なにひとつわからない。何が言いたい」
「いえ、茂みからでてきて、こんなに服が乱れて疲れた顔をしてたら、誰でもそういう考えに行き着きますよ」
そう言われ、二人を見てみる。
二人はなんか疲れた顔をして、茂みから出て来た彼女らはそのせいで服が所々乱れている。
なんか、激しい何かをしていたように見えなくもない。
「違う、自分らは劇場で劇を観てきただけだ。やたら混沌とした内容で、観てて疲れただけだ。ここから出て来たのは事故だ事故」
必死に弁解。
ただ疲れてるので勢いが無い。
だが、ムー君はわかってくれたようでなんか納得してくれた。
そして、重要な情報を口にした。
「ああ、あれですか。確かに事実を知ってたらいろいろ突っ込み所がありすぎてキツイですよね。まぁ、さすがはリム副隊長って所ですか」
マテ。
「なぜにそこでリム副隊長の名前が出るん?」
「え?彼ら劇団に先生の事を教えたのは副隊長だからですが……知らなかったんですか?」
「詳しく話せ」
ムー君の言う事をかみ砕くと、リム副隊長が彼らに教えたのを劇団員は忠実に再現した結果あの茶番になったという訳だ。
つか、監督が彼だとか。
後ろの二人も、反応から察するに全く知らなかったようである。
しかし、なぜに彼は劇を観るようエリザを誘導したのだろう。
「なんか、副隊長はやたら自信たっぷりに自分が作った劇だーって言ってましたし、よほど自慢したかったようですからてっきりもう知っているかと…」
……つまり観してから“俺の作品すげーだろ”っていいたかったと。
「エリザ、どうする?」
「……好きにしてくれ。私は寝る。疲れた」
エリザから許可が下りた。
よし、これで勝つる。
「ムー君、奴の居場所を教えてくれ」
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