暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
26*ある種の公開処刑
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ん!!」

そう言ってぬいぐるみに駆け出す黒いの。
そして

ズバシャァァ!

効果音と共に不自然に切れるぬいぐるみ。
そして恰好をつけながら黒いのが一言。

「また、つまらない物を切ってしまったか……」

そう言いながら、仲間のもとへと歩いていく黒いの。

「ナルミよ、ご苦労だったな」

「先生のご指導のお陰で、私も魔獣を打ち倒す事ができました」

などなど、いろいろ言っている。
中身はなさげなのでぶっちゃけ飛ばすが。

そして、最後に黒いのが一言。

「自分は、悪を打ち倒し、君達を護るためにここにいる。自分の名はハセガワ・ナルミ、虚無の黒騎士。自分の命がある限り、あらゆる厄災から君達を護る事をここに誓おう」

そう会場のお客さんに言い放ち、劇は終わった。
観客からは歓声が上がっている。

………パトラッシュ…自分もう死にたいんだ……。

だって何これ!?
三時間近い劇だったけど、全く事実と違いすぎるよ!?
なんか無駄に黒いのがかっこつけてるし、エリザに至っては本物よか常識あるし、なにもかもが違う!!
ツッコミ所満載よ!?

「……なんか、凄い劇だったな…」

ほら!
エリザすら違和感バリバリなんだよ!?
なんでこんな事になっちゃったん!?
「……本物の先生の方が恰好いいです」

……まぁ、この娘には触れないどこ。

とりあえず、もう一度言おう。

なに、この茶番?

とてつもなく理解ができない。
それこそ、駄目すぎて何が駄目だかわからなく、思考回路を遮断してしまいそうな程めちゃめちゃだ。

いや、話しとしたらきちんとなってはいるが、なにせ事実とあまりに差がありすぎなのだ。
なぜにこんな事になっているのだろうか…

「……ナルミ、帰ろう」

「ん、お、ああ」

考えを巡らせすぎて、周りが帰ってる事にきがつかなかったようだ。
エリザとシルバちゃんは既に立ち上がり、帰る準備は万端だ。

「……なんか、この言葉にできない感情は何でしょうか」

本当に、ねぇ……
と、帰らなくては。

そう思い、自分が立ち上がったその時

ぱさっ

帽子が落ちた、そして…

「……あ…本物だぁ!!」

大パニック発生。
なんかみんなしてこっちに寄ってきた。

これは、下手なホラー映画よりも何倍も怖い。

「え、エリザ!シルバちゃん!逃げるよ!」

本能で危険を察知した自分は、二人の腕を引っつかみテレポートした。
イメージした先は、いつも近衛隊が訓練している中庭だった。


***********☆


「おわっ!」

「キャッ!」

「おっと」

バサッ!

なんとか脱出には成功したよう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ