第1話 これからの就職の話をしよう。
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う義務がある。
「でもよ、何とかって言っても今の俺達じゃあの化物は倒せねえだろ」
リクとレイの魔導師ランクは陸戦Cランク。アキも陸戦Bだ。この値だけをみるならあの化物を倒せるとは到底思えない。
「分かってるよ。だから〈義魂丸〉を使う」
その言葉に、レイとアキの動きが止まる。
「いいのかよ?アレを使っちまったら面倒な事が起きるだろ」
そんなレイの言葉に、リクは微かに笑う。
「バーカ。人命には代えられないだろ」
そう呟くと同時に、ポケットからファンシーな形をした丸薬の入った入れ物を取り出す。細長い筒状になっており、先頭部分がウサギの形をしている。
レイとアキも取り出す。
ちなみにレイはカエル、アキはアヒルになっている。
三人は容れ物から、義魂丸と呼ばれる丸薬を取り出し、それを口に含み、そして。
ガリッ!
噛み砕いた。
瞬間。三人の身体を膨大な魔力が渦巻き、覆い隠す。天にまで届くかという程の魔力の柱に空気が鳴動する。
そして数瞬後、その魔力が弾け飛ぶ。
そこから現れ出たのは、黒を基調とした着物に身を包むリク、レイ、アキの三人の姿があった。ちなみに、リクの着物のデザインは、他の二人とは違っており、胸や、両腕等に、交差する黒い線が刻まれている。それに、レイやアキは普通の刀を腰に差しているが、リクは巨大な身の丈程もある刀を背負っている。
若干ではあるが、包丁のような形をしている。あくまで若干だが。
「久しぶりだなこの恰好」
リクが少しだけ嬉しそうに言う。
「おっしゃ!超燃えてきたぜっ!!」
レイも気分が高揚している。
「アタシは先に行くぞぉ!!」
アキは一人叫び、その場から一瞬で消えた。
戦闘に喜びを見出すアキは、強敵と戦う事を非常に楽しみにしているようだ。そんなアキを苦笑しながら見たリクは、レイに向き直る。
「レイ、可能な限り瞬殺しろ。被害を最小限に抑えろよ」
「分かってるよッ!!」
そう言って、レイもその場から瞬時に消える。
一人残ったリクも、先程までのやる気のない眼から一変して、非常に鋭い眼光を携え自分の担当である巨大な化物を見る。
黒い衣を頭からスッポリ被り、顔の部分には、鼻だけが長い真っ白な不気味な面を付けている。今までリクの知識にはない存在。
だがそんなものは関係ない。
今重要なのはあの化物を出来るだけ早く排除する事だ。
「―――いくか」
そう呟き、リクも、他の二人同様その場から一瞬で消えた。
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