第1話 これからの就職の話をしよう。
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こうして三人は現時点を以って無職になったのだった。
◆
ミッドチルダ中央区画にある公園に三人は集まっていた。
何故公園か、それは無職=公園という図式が三人の頭の中にあったからなのだが、まあどうでもいい。
「これからどうすんだよ…」
自業自得なのだが、無職という自身の境遇に今更ながら危機感を抱いているリクがぽつりと呟く。
「なんとかなんじゃね?」
と、深刻さゼロのレイが言う。
「ま、何とかなるとは思うがな」
先程までの落ち込みが嘘みたいにケロリとした表情でリクが呟く。
どうやら危機感など毛ほども感じてはいなかったようだ。ならば先程のは演技という事になる。非常に紛らわしい男である。
「ったくグチグチうるせえんだよテメー等は」
と、コーヒーを傾けながらアキが吐き捨てる。
アキは口が悪い。これは産まれて直ぐにアキの両親が死に、アキ自身がギャング的な組織に育てられたせいだろうと、リクとレイは思っている。
「うるせえぞこの寝取りビッチが!お前のは既に問題行為じゃなくて犯罪だろうがっ!!」
「んだと腐れ金髪!二度と女抱けねえ顔面にすんぞ!!」
普段から中の悪いレイとアキは互いに睨み合う。
そんな二人を面倒そうな表情で眺めながらリクはこれからについて考える。
(流石に5回もクビを喰らった俺を向かい入れる部隊は、いくら管理局が人手不足だといってもないだろうな。まあ、再就職の足掛かりに執務官試験でも受ける―――)
そこまで考えた時だった。
突如、凄まじい魔力の鳴動が辺りに響き渡った。
「………」
「な、なんだ?」
「これは…魔力か?それも結構デケェ」
リクは冷静に、レイは多少の動揺を、そしてアキは楽しそうな、好戦的な笑みをそれぞれ浮かべる。
三者三様の表情を浮かべる中、三方向の空間にそれぞれ巨大な亀裂が生じた。
ビキィイッ!!
そんな音を立て生じた亀裂から、怪物が―――現れた。
それも常軌を逸した大きさの、である。
「な―――」
「おいおいおい!いくら何でもデカすぎだろ!?」
「アハハハ!!こりゃいい!!」
唯一アキだけが楽しそうに笑うなか、リクとレイは驚愕に目を見開く。
が、二人は即座に冷静さを取り戻す。些か予想外過ぎる出来事なので一瞬呆けてしまったが、それで動けなくなるという愚行は犯さない。
「流石にあのデカブツを放置するわけにはいかない。俺達三人で何とかするぞ」
このまま放置すれば、あの巨大な化物は市街地等をメチャクチャにしてしまう。その前に止めるこは急務だった。
それに、部隊をクビになったとはいえ、三人は時空管理局の局員だ。一般人を救
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