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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-14灯台と主婦
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ちいち()けて回るわけだな。せいぜい、見逃さないように気を付けるか」


 トルネコらしき女性は町に戻って行ったため、急ぐ理由は無くなったが、灯台の炎の側には強力な魔物がいると予想される。
 これまでの道中(どうちゅう)と変わりなく、戦闘ではマーニャも適度に魔法を使い、前衛(ぜんえい)の消耗を防ぎながら、灯台の中を探索する。


 聖なる種火を求めて開けた宝箱の中に、宝箱に擬態(ぎたい)する魔物の(ひと)()(ばこ)(まぎ)れており、開けたホフマンが襲われかけるが、割り込んだ少女が盾で(はば)み、剣で斬り付け距離を取ったところでマーニャがメラミの火球をぶつけ、倒して(こと)()きを()る。

「ありがとうございます、おふたりとも。役に立たなくて、すみません」
「ホフマンさんが、開けてくれたから。わたしが開けてたら、できなかった」
「だな。とりあえず前に出てくれる奴がいるってだけで、助かるぜ」


 三階を探索している最中、様子の違う魔物に遭遇する。

「妙なのがいるな」
「なにか、探しているみたいだね」
「後に回すのも面倒だ。さっさと、倒しちまうか」
「そうだね」

 魔物に近付く途中、こちらに気付いた魔物が振り返り、声を上げる。

「キキー!トルネコはどうしたっ!?」

「ちっ。気付かれたか」
「トルネコ、さん」
「ユウ。静かに」

 一行の()わす言葉に気を払う様子も無く、魔物が言葉を続ける。

「トルネコが、この灯台に向かったと聞いたので、待ち伏せて食い殺してやろうと思ったのに……。そうか!怖くなって、港町に戻ったな!港町まで行って、トルネコを食い殺してくれるわ!キキー!」

 魔物から、魔法の発動する気配がする。

「ちっ、リレミトか!?」
「ルーラ!」

 魔物の身体(からだ)が魔力により勢い良く飛び上がり、そして天井(てんじょう)に頭をぶつけ、そのまま落下してくる。

「……キ、キー……!」

 魔物は、気を失った。

「……何なんだ、こいつは」
「建物の中で、ルーラを使ったら、こうなるのね」
「ユウも、これからルーラを使うときには気を付けてくださいね。私も、天井に頭をぶつけたくはないですから」
「うん、気を付ける」
「トルネコさんを狙ってるという、魔物ですか。放っておいても大丈夫ですかね?今のうちに、退治したほうがいいですか?」
「こんな頭の足りねえのに、なんかできるとも思えねえし。足りな過ぎて、寝込みを襲うのも気が引けるな。来たら返り討ちにすりゃいいだろ、放っとこうぜ」
「そうですね。さすがにちょっと、後味(あとあじ)が悪いですもんね」


 気を失った魔物を放置し、四階への階段を上がる。

「しかし
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