第5章 契約
第60話 秋風の吹く魔法学院にて
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人は、伝説の使い魔ですから、トリステイン王国としては積極的に前線に投入したいはずです。しかし、同時にルイズは公爵家の姫君でも有ります。普通ならば、ヴァリエール公爵は、戦場に娘が立つ事さえ許しはしないでしょう。
キュルケの従軍が、実家からも、そして祖国からも認められなかったように。
この時代。中世ヨーロッパの風紀が乱れて居た、と何度も説明しましたが、それは庶民に関して。貴族や王族に関してはまた別。
少なくとも、結婚までは女性は純潔を保ったはずです。貴族の姫君と言う人種に関しては。
森へ行きましょう、娘さん。などと言う風習は庶民に関してのみ。……だったと言う事。
もっとも、この部分も、俺の怪しい記憶が情報源ですから、確実にそうだったのか、と問われると、そうじゃないかな、と言う程度の記憶しかないのですが。
但し、中世の支配階級の生活を支配していたのは戒律の厳しいカトリックですから、そう、間違った記憶ではないと思いますけどね。
「それでも、謂れなき侵攻を行ったアルビオンをこのままにして置くと、沸騰し掛かった世論をトリステイン王家は抑える事が出来なかったやろうから、この戦争は、ある程度仕方がない側面が有ると思うぞ」
俺が、先ほどのキュルケの発言にやや否定的な言葉を返した。
そう。トリステインの王家が本当に戦争を行いたかったのか、それとも消極的だったのかについては判りませんが、貴族に有るまじき卑怯な戦法を用いたアルビオン討つべしの声が、非常に高かったのも事実ですから。
但し……。
「これから時期的に問題が有る季節に進んで行く事に、かなり大きな問題が有るとは思うけどね」
但し、先ほどの言葉に続けて、非常に否定的な台詞を口にする俺。
実際、今はアルビオンが空軍の船舶や優秀な搭乗員を失って、トリステインに取っては好機で有るのは間違いないのですが……。
それでも……。
「それは、どう言う意味なの、シノブ?」
少し、不思議そうな雰囲気でそう聞き返して来るキュルケ。本気で聞き返して来ているのか、それとも、俺のオツムの程度を推し量っているのかは判りませんが。
もっとも、彼女が俺のオツムの出来を調べたトコロで大きな意味は無いと思うので、本気で聞いて来たと言う事なのでしょう。
それならば、
「常備軍が存在しないトリステインとしては、これは仕方がない事なんやけど、どうしても農家の収穫を終えてからの兵の徴用と成るのは仕方がない」
キュルケの問い掛けに対して、そう答える俺。それに、聞き返してくれたのですから、答えを返して置くべきですから。もっとも、この程度の事は、このハルケギニア世界では今までも繰り返されて来た事ですから、俺が知らない何らかの対応策……と言う物が存在してい
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