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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第60話 秋風の吹く魔法学院にて
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なり低いのが実情のようですから。

 尚、この部分や貧困者に対する最終セーフティとしての機能が、教会がガリアから税の数パーセントを受け取る根拠と為されているらしいです。但し、自らが開墾した新たな荘園に関しての非課税処置などは存在していないようですが。

 果てさて。宗教に税金を掛けようとするガリア王家の行いがガメツイと言うべきなのか、それとも、法の下では神の忠実なる僕で有ろうとも平等に対処する王家の行いは正しいと評価すべきなのか……。
 貴族の荘園に対する非課税と言う制度がない以上、ガリア王家の行いはすべてに対して平等で有ると言うべきですか。

 少なくとも、税に関してはかなり平等な配分だと思いますね。

 おっと余計な方向に思考がずれた。
 それで、農業の改革が軌道に乗り、農村に働き手としての子供が必要でなくなれば、ガリアの教会が行っている日曜学校のような制度を、ガリア全体の教育制度として発展させて行く事は可能です。
 その時には、間違いなく大量に消費される(知識)が必要と成って来ますからね。

 三十年先を見据えたならば、この改革は間違った方向性と言う訳では有りませんか。

 俺は、この書類と本に支配された部屋の主。中世から、一気に十九世紀辺りに国を発展させようとしている、ガリアのデコ姫の姿を瞳に映す。
 いや、無暗に汚染を広げようとしない辺り、十九世紀型煤煙で街を黒く煤けさせた偉大な為政者たちよりも余程優秀だと言う事ですか。

 彼女の方がね。

「来たのかい」

 自らの執務机の前に立つタバサと俺に一瞥を加えた後に、持っていたペンをインク壺の傍らに置き、イザベラは軽く伸びをした。
 その際、若い女性には似つかわしくないボキボキと言う関節が鳴らす軽い悲鳴が聞こえて来たのですが、この部分に関しては武士の情けで聞かなかった事にするべきですか。

 尚、俺とタバサが入室して来た事に気付いたはずの湖の乙女でしたが、彼女がそんな細かい事に拘る訳もなく、自らの為に用意して貰ったイスに軽く腰を掛け、イザベラの部屋に大量に存在している書籍に目を向けたまま、その視線をこちらに向ける事は有りませんでした。
 何故か、少し寂しいような気もするのですが……。

「そうしたら、次の任務は……」


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