暁 〜小説投稿サイト〜
とあるβテスター、奮闘する
裏通りの鍛冶師
とあるβテスター、看破する
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
の悪いヘタレ系イケメン。
男のツンデレ……一部の人には需要がありそうだなぁ。

「ふん。そうと決まれば、鉱石採集に付き合って貰おうか」
「え、これじゃだめなの?」
なんて、僕がどうでもいいことに思考能力を割いていると、リリアはテキパキと商品を片付けながら言った。
僕が素材として用意していた鉱石《インゴッド》を見せると、彼はそれを一蹴し、

「はっ、そんな素材じゃ俺様の腕前を発揮できやしねえぜ」
ドヤァ!と擬音がつくのではないかというほどのしたり顔で、不敵に笑う。
元々の顔立ちの良さも相まって、年頃の女の子ならイチコロにされてしまいそうなイケメンスマイルだった。
ただし、中身はヘタレ。おまけにセクハラ魔。
総合評価、マイナス5点。

「っつーわけで、どうせなら今用意できる最高のモンで作ろうじゃねえか。ちょうどこの層にある洞窟に、レアな鉱石を持ったモンスターがいるんだよ」
「へえ、流石に詳しいね」
それは知らなかった。
さすが本職の鍛冶師だけあって、素材関連の情報は頭に入っているらしい。
女の子にセクハラしてるだけのおっさん(しかもシスコン)だと思っていたけど、少し見直したなぁ。

「……って、あのちんちくりんの情報屋が言ってた」
「台無しだよ!」
思わず声に出して突っ込んだ。自前の情報じゃないのかよ!

「細けえこたぁいいんだよ。おら、さっさと準備しやがれ」
「……、まあいいか。シェイリもそれでいい?」
「いいよー。りっちゃん、よろしくねー」
「てめ、りっちゃんって呼ぶんじゃ───」
「よし、行こうか。追い剥ぎに気を付けないとね」
「はーい」
「おいこら小僧!待ちやがれ!」
ぎゃーぎゃーと騒ぐリリアを無視し、僕とシェイリは表通りへと向かって歩き出した。
なんとなくだけど、この人の扱い方がわかってきた気がする。
あと小僧言うな。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ