暁 〜小説投稿サイト〜
とあるβテスター、奮闘する
裏通りの鍛冶師
とあるβテスター、看破する
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
形だ。
目付きが悪いのが玉に瑕だけど、それをひっくるめても全体的に整った顔立ちをしている。
ディアベルが爽やか系イケメンなら、この人はワイルド系イケメンといったところだろう。
街を歩けば女性が放っておかないんじゃないだろうか。

……まあ、中身はセクハラおやじと同レベルだけど。
あと小僧言うな。

「ねぇねぇ、おにーさんはここで何してるのー?」
「セクハラの獲物を物色してたんじゃないの?」
「だからちげーよ!人をそんな目で見るんじゃねえ!武器屋だ武器屋!店を出してんだよ!」
うわ、すっごく胡散臭い。
こんな人気のない裏通りで武器屋とか、咄嗟の言い訳にしてもちょっと……。
そもそもこの人、とても接客ができるようには見えないし───って、あれ?なんだか聞き覚えがあるような?

「……、あの、ひょっとして噂の武器屋さん?」
「あ?んだよ、客だったのかよ。そうならそうって最初から言えよな。いきなりぶっ放してくるからアイテム目当ての強盗か何かかと思ったぜ」
別にいきなりスキル連発したわけじゃないとか、そもそも原因はあんたのセクハラだろとか、色々と突っ込み所が満載だけど今は我慢。
どうやら、この男が件の露店商で間違いないらしい。
ラムダの裏通りに店を構えていて、男性プレイヤーで、態度が無愛想(というより、おっさん)。
確かに、噂の内容と一致する。

となると、アルゴの言っていた『好きになれない店番』というのは、ほぼ間違いなくこの人だということになるけれど……

「……ねぇ、アルゴって情報屋に心当たりは?」
「アルゴ……?あー、あのちんちくりんか。オマエの知り合いか?」
「ちんちくりんって……」
「あいつはちっとばかし痩せすぎっつーか、もう少し肉付けたほうがいいな。特にこのあたりに」
「………」
彼はそう言って、僕の胸のあたりを指差した。
こういうのもセクハラのうちに入るんだろうけど、生憎と身体に触れない限りハラスメントコードは発動しない。
というか今ので確信した。この男、噂を確かめる為に接触してきたアルゴにも同じことをしたに違いない。
あの『鼠』をもってして『あの店番は好きになれなイ』と言わしめたのは、つまりこういうことなんだろう。
なんというか、顔はいいのに残念な人って本当にいるんだなぁ。
そしてアルゴ、よくハラスメントコードを発動させずに耐えたね。君は偉いよ……。

「あ、ほんとだ!みてみて、武器がいっぱいあるよー!」
「……うん。本当に武器屋だったんだね」
今度彼女に何か奢ってあげよう、なんてことを僕が考えていると、シェイリが目を輝かせながら嬉々とした声をあげた。
どうやら彼の言い分は本当だったようで、足元に広げられたシートの上には様々な種類の武器が所狭しと並べられている。
その中の短
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ