14話
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ウとアンリだった。
「こんな時間にどうしたんだ?」
とはいえ何か事件があって駆け込んできた様子はない。
二人がちょっと照れながら切り出した。
「い、いやさ、ちゃんとお礼、言ってなかったと思ってさ」
「あの時、お兄ちゃんたちが助けてくれなかったらぼくたち大怪我してたと思うんです。だからもう一度ちゃんとお礼言おうって」
子供たちの照れながらの感謝にロイドは嬉しくなり逆に照れてしまった。
「あっと、そうか、わざわざありがとうな二人とも」
応対したロイドが照れているのがわかって後ろの三人は笑いつつ、同じように照れていた。
「アリオスさんに比べたら全然頼りなかったけど、お廻りにしては良い線行ってたぜ。実力不足はこれから頑張ったら良いしさ」
「ちょっとリュウってば」
口の悪いリュウの言葉にアンリは慌てたがロイドたちは、特にロイドは励まされた気持ちになった。
「そうだよな。これから頑張れば良い」
「そんだけ言いたかったんだ。じゃあな」
「もうこんな時間だぞ。送ろうか?」
「心配すんなよ。家が近いから大丈夫だって」
二人が帰っていく後姿を見送るロイドは晴れやかに笑っていた。
「悩みは解決したみたいですね」
その表情だけで三人ともロイドがどう決断したのか理解して笑った。
「俺って単純だな」
「良いんじゃないかしら、そういうの」
兄貴の仇を討つとかいろいろと考えてやってきたけど、警察官として人助けをして感謝されるのも良いじゃないかと。
(兄貴、俺やってみるよ、まずはここから始めようと思う)
翌日、返事をするために課長室に集まった四人。
セルゲイは一人一人問い質して行く。
「ランディ、お前の戦闘能力だけなら欲しがる課は多い。なんなら推薦してやっても良いが」
「そもそも警察に引っ張ったのはあんたでしょうが、ここの堅苦しくない雰囲気は良いし、問題なしっすよ」
「クク、ならエリィはどうだ?本部のお偉いさんは安全でキツイだけの雑用だと思って推薦してきたようだが」
「お世話になります。密度の濃い仕事を期待していますから」
「ティオは言うまでもないな」
「ええ、元々そういう約束でしたから」
「さてと、残りはお前だけか。ロイド・バニングス。警察学校時代のカリキュラムは座学、訓練共に優秀な成績で修了し捜査官試験に挑戦しこれに合格。正直、ここには不釣合いなほど真っ当な人材だ。手放せば引き取りたいという話がいくつも来ている。迷うことはないんじゃないか?」
「いえ、考えた上で決めました。お世話になります」
ロイドの決然とした態度に仲間たちも嬉しくなっていた。
だが、セルゲイは実に面白くなさそうだった。
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