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英雄伝説 零の軌跡 壁に挑む者たち
14話
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ルゲイ課長は後でいいと言っていたし副局長もそんなことを言っていた。

「正式に配属されればやってもらう仕事は様々だ。今日みたいな魔獣退治に本部の手伝いなどの細かな雑用、民間からは落し物探しや人探しなど警察の仕事と遊撃士の仕事を両方やってもらう必要がある。仕事の量と質は煩雑で膨大になるだろうからやる気とやり抜く意思がなければとても勤まらんからな」

仕事内容を聞いて悩むような表情になった4人に向かってこの話を締めた。

「一晩考えろ。答えは翌日聞くことになっている。ここで辞退してもほかの部署に配属されるだけでデメリットはない。全てはお前たち次第だ」



課長室を出た4人は今後も兼ねて夕食を取ろうということになった。といっても分室ビルの厨房には引っ越してきたばかりなのか食料はなかったので動けるランディが買出しに、残った3人は自室の整理やら各々動くことになった。
ロイドは自室になるはずの201号室で荷解きも出来ず備え付けのベッドに腰掛けて写真を見ながら溜め息をついていた。
遊撃士の真似事をするために警察官になったんじゃないんだけどな。
ロイドは兄の所属していた捜査一課に入りたかった。それは大きな意味では憧れの兄に追いつくために同じ道を通りたい、同じ事をしたいということだったが、もう一つは捜査一課が国際的、政治的な大事件を取り扱う部署だからだ。
兄の殉職を説明に来てくれた一課の課長が言うには相棒も持たずあちらこちらに首を突っ込んでいたという。あちらこちらと言って具体例を出さず言葉を濁していたのは遺族とはいえ民間人が知るべきことではないとんでもない相手だからだろう。
だから一課に入れば兄が何をしてどうして殺されたのかがわかり、そしてその相手と戦うことが出来るはずだ。
そう思ってこれまでやってきたのである。

「遠いよな」

いきなり一課に配属されることはないにしても捜査課に入れるつもりだったし、この支援課も勤め上げれば転属を願い出るつもりだった。
ましてやあの説明だけで問題だらけなのはわかったし、キャリアを失うことになりかねないというのは切実だ。
ここで辞退すればすぐに捜査課に配属し直してもらえるだろう。支援課を選べば夢から遠ざかるばかりだ。
夢に向かって着実に段階を踏むのならば迷う理由はなかった。
だけど踏ん切りがつかなかった。
それは初めて出来た同僚たちのことである。それも自分がリーダーになっての一応部下ってことになる。
今日会ったばかりなのに命を預けあった仲間って感じがした。学校で班を組んで魔獣と対峙したこともあったが、それとは比べ物にならなかった。
彼らはどうするのだろうか。

「おーい、食い物買って来たぞぉー」

ランディの大声で呼ばれて、悩んでいても仕方がない。とりあえず食事のついでに話を聞い
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