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英雄伝説 零の軌跡 壁に挑む者たち
14話
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一階はリビングと会議室を兼ねているのか大きなテーブルと人数分の椅子に絨毯まで敷かれており、入り口のすぐのところに待合席的なソファまで用意されていた。
まだまだ荷物の入ったダンボールが散乱しているがこの部署が動き出そうとしているという意思は感じられた。
ロイドたちはリビングの奥にある部屋に通された。
課長室ということでセルゲイ課長の書斎ということにもなるのか無茶苦茶な量の本と机が一個あるだけだった。
セルゲイ課長は席に着くと質問に答えた。

「まあ警察本部でいろいろ聞いたろうが、簡単に特務支援課の方針を説明すれば市民の安全を第一に考えて様々な要望に応える部署だ。市民と密着し即応するために街中暮らしだ。出勤が早くて良いだろう?」

セルゲイの説明を聞いて4人共が驚いた。それが遊撃士協会の謳い文句だからだ。
協会基本三原則に、民間人の安全と地域の平和を守る、人命の保護義務、国家権力への不干渉。
民間人の安全と地域の平和を守るは基本理念として広く知られることである。
つまり特務支援課は遊撃士協会を真似て作られたのである。

「露骨なパクリですね」

ティオの辛辣な言葉に皆が同意する中、課長は説明を続けた。

「知っているだろうが、クロスベルでの遊撃士協会の人気は大したものだ。A級遊撃士アリオス・マクレインを筆頭にB級の実力者がクロスベル支部に揃っている。これが警察のお偉方にとって何を意味するかわかるか?」

ロイドが上手く口に出せないでいるとエリィが意図を見抜いて答えた。

「警察とギルドの比較評価による組織の問題点の指摘、そこから生まれる批判が警察、さらにはそれを解決出来ない自治州政府への信頼失墜に繋がっているんですね」

ギルドより使えない警察はそれ故に批判されそれを改善出来ない政府批判にも繋がっていく。それは高い地位に就いているものほど指導力不足だと責任を取らされることになりかねない。

「なるほど。ギルドのお株を奪って人気取りをしようってことか」

ランディの簡潔な結論にセルゲイ課長は頷いた。

「はっきり言えばお前らの言う通りだ。だが、警察の基本理念は治安維持と自治州法の遵守だ。市民サービスは二の次だ。だからこそ警察内部では人気取りのここを良く思わない声も多い」

雑用係、便利屋、人気取りの猿、偽遊撃士、人身御供のための部署なんてのもあった。発足計画が持ち上がった段階から散々な言われようで警察本部からの志願者は零。だから事情を知らない新人やら出向者を参加させた。

「そんなところで俺らを働かせようっていうんですか?」

「そう急くなよ。ピエール副局長から聞いてると思うがお前たちはまだ正式に着任してはいないから配属を辞退することも可能だ」

そういえば着任の挨拶をしようとしたらセ
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