第一幕その二
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味のある話が自分からやって来たのであった。
「男爵」
若い大使館のスタッフが彼のところにやって来た。
「あの方が来られました」
「あの方が」
「はい」
スタッフは男爵の言葉に頷く。すると男爵だけでなく四国の外交官達の顔色も変わってきた。
「来られましたな」
「ええ、遂に」
彼等は顔を見合わせてそれぞれ話をはじめた。仲良くというよりは互いに抜け駆けを許さない、そうした感じで話を進めていた。
「グラヴァリ夫人が来られるとはな」
男爵はあの方の名をここで口にした。
「それでどうされますか?」
「まさかお断りするわけにもいくまい」
そうスタッフに述べる。
「何しろ我が国最大の富豪だ。若しも機嫌を損ねたら」
「大変なことになりますからな」
「そうだ」
彼は言う。
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