第176話
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嫌な予感が頭に過ぎり、土御門はニヤリ、と意地悪い笑みを浮かべて。
「キョウやんもよく知る人物だぜい。」
公園に着き、ある一つのベンチには予想通り上条当麻と穏やかな雰囲気を纏った初老の女性が座っていた。
見慣れない女性の顔に土御門に聞くと、あれは統括理事会の一人、親船最中という女性らしい。
親船と言えば、麻生の通っている学校にも同じ名前の教師がいる。
親子なのだろうか?
いや、もし親子なら人質に捕られたりとかなり危険な事に巻き込まれたりするので、おそらく名前が同じなのだろうと適当に考える。
ともかく、統括理事会自ら依頼するとなると、上層部はかなり焦っているようだ。
土御門は麻生にここで待っているように言って、二人に近づく。
二、三言話をして、ズボンのベルトからあの拳銃を取り出す。
銃口は親船に合わせる。
上条は一連の行動を信じられないような目で見ている。
引き金を迷うことなく引き、バン!!と乾いた銃声が小さな公園に響き渡る。
親船最中は笑っていた。
笑いながら、身体が揺らぎベンチから土の地面へと崩れ落ちた。
土御門の顔に表情はない。
銃をしまい、地面に落ちた薬莢を拾い上げ、ポケットに入れる。
淡々と機械のように正確に行動する彼を見て、上条は吼えながら土御門のシャツを掴みあげた。
「土御門ォォおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
掴まれてもサングラス越しの瞳に変化はなく、上条は反射的に拳を作り全力で彼の頬を殴る。
拳に人を殴った特有の鈍い痛みを感じる。
地面に崩れ、尻餅をつく土御門の表情はそれでも変わらない。
それを見た上条は歯を食いしばり、もう一度殴ろうとして。
「止めておけ。」
いつの間にか上条の後ろに移動した麻生に止められた。
「恭介・・・」
ここに居るとは思わなかった上条は目を見開きながら、彼の名前を呟く。
買い物袋を地面に置き、親船の容体を確かめる。
「急所は外れている。
適切に処置すれば命に別状はない。
この距離と土御門の腕を考えるに、わざと外したな。」
能力で創った道具で、止血処置だけを施す。
彼の治療を見て、親船は力ない笑みを浮かべる。
「来て・・・くださったのですね。」
「あんたの行動と土御門の行動を見る限り、統括理事会は今回のデモ抗議にそれほど関心はないみたいだな。」
最初は焦っていると思っていた麻生だが、親船と土御門の行動を見て違うと気付いた。
考えてみればそうだ。
統括理事会が焦っていたら、土御門や上条や麻生のような学生に依頼するだろうか?
絶対にしない。
彼らに任せた所で確実に作戦を遂行させるとは限らない。
もっと確実な手段を用いる筈だ。
「彼らは、戦争の激化と・・・・ローマ正教を代表する
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