第176話
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れとリクエストが最近大きくなってきた。
このリクエストは無理難題ではなく、工夫すれば作れてしまう料理ばかり。
今夜もリクエストをされるかもしれない。
今からうんざりしたような気持ちになり、視線を飛行船から前に戻し歩く。
「キョウや〜ん!」
しばらく歩いていると土御門の声が後ろから聞こえた。
振り返るとこちらに向かって軽く手を振りながら駆けつけてくる土御門の姿が見えた。
「探したぜい。
今は暇かにゃ〜?」
「俺の手に持っている袋を見て分からないか?」
買い物袋を持ち上げて、暇ではない事をアピールする。
それを見て土御門はふむふむ、と頷いて。
「暇ってことでいいんだなにゃー。」
「お前の眼はガラス玉が入っているのか?
暇じゃない。
これから帰ってご飯を作らないといけな」
「んにゃー、そうも言ってられないから」
笑顔を浮かべて、右手を腰に回す。
そこから取り出したのは黒光りする金属の塊。
全長、わずか一五センチほどの物体。
拳銃だ。
右手に持った拳銃の銃口を麻生の眉間に照準を合わせる。
周りを確認すると人影はない。
魔術の発動を感じなかった所を考えると、単純に人の手で人工的に人を払ったのだろう。
再び視線を戻すと依然と土御門は友人に向けるような親しみの笑みを浮かべている。
「俺に何の用だ?」
少しトーンを落とし、軽く殺気をぶつけながら問い掛ける。
「説明は歩きながらするぜい」
「歩きながらということは、大きな事件なのか?」
「世界規模で起こっているデモ活動。
今回、協力してほしいのはそれの鎮静化だ。」
デモ活動という単語にピクリ、と反応を示す。
土御門も後は歩いて説明するつもりなのか、拳銃をしまい踵を返す。
(今日はご飯、作れそうにないな)
ため息を吐いて、麻生もその後について行く。
ついさっきまで関わろうと思っていた事件が勝手に舞い込んできた。
「キョウやんは世界中で起こっているデモ活動をどう思う?」
どこを目指して歩いているのか分からないが、隣に立って土御門の質問に答える。
「ニュースを見て聞いた限りでは、学園都市とローマ正教の抗争の延長線上に見える。
だが、少し引っ掛かる所もある。
学園都市は科学のトップ、ローマ正教も宗教として見てもトップに位置する。
これらがぶつかり合えば確かに世界規模の抗争になるかもしれないが、あんな風にデモ抗議を起こるまで市民に影響を与えるくらい大きいとは言えない。」
「そこまで見えているのなら説明は簡単だぜい。
率直に言うとこのデモは魔道書の力によって誘発されたものだ。」
「魔道書・・・それを持ち出すとはローマ正教も必死だな。」
呆れるよ
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