第四十一話 鍛えた結果その六
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「それはね」
「そうよね。じゃあね」
「うん、僕は生きるよ」
樹里にも約束した。そのことを。
「例え何があってもね」
「そうしてね。絶対にね」
「逃げずに戦うよ」
そして戦いを止めることを誓う上城だった。そうしてだった。
上城はその日もまた鍛錬をした。体育や部活の時間がそれにあたる、その体育の授業中にだ。
バスケの時の彼の動きを見てクラスメイト達が言った。
「最近動きが一段とよくなってないか?」
「スピードついたよな」
こう彼等に言われたのだ。
「身体のキレもいいし」
「トレーニングでもしてるのかよ」
「そうだね。少しね」
「ああ、剣道のか」
「練習してるんだな」
「まあ。そんなところだね」
上城は嘘は嫌いだ。言わない主義なのだ。
それで今は言えないところは隠してこう言ったのである。
「剣の練習してるよ」
「それでか。部活以外にも身体動かしてるからか」
「動きよくなったんだな」
「鍛えないとね」
どうなるか。上城は隠したまま言う。
「大変なことになるからね」
「ああ、試合に負けるからな」
「それでだよな」
「それで部活以外にも練習してか」
「動きよくなったんだな」
「そうなんだ」
嘘は言っていないのでだ。上城は言葉を返せた。
「少しでもって思って」
「凄いよな。部活に燃えてるな」
「俺なんか相当適当にやってるのにな」
「俺もだよ」
クラスメイト達はこう返す。シュートの練習の休憩中に体育館の壁にもたれかかって座ったうえでの話だった。
「もうな。怪我さえしないようにしてな」
「適当だよな」
「楽しめればいいって感じでな」
「楽しんでるんだ」
「って部活は修行じゃないからな」
「苦行でもないしな」
これが彼等の返答だった。
「だからな」
「それでなんだよ」
「部活っていうのはな」
「俺達は楽しんでるぜ」
「怪我だけはしない様にな」
そうしているというのだった。
「楽しんで怪我をしないようにな」
「そうしてるんだよ」
「俺達はな」
「そうなんだ。僕はね」
上城は彼等の話を聞いて述べる。
「そうしないとね」
「鍛えないとか?」
「駄目なのかよ」
「そうなっているから」
戦いのことを隠してだ。そうしての言葉だった。
「僕の場合はね」
「御前の場合は?」
「御前はか?」
「そうだってのかよ」
「だからなんだよ。けれど」
クラスメイト達の明るい顔を見てだ。こうも言う彼だった。
「いいよね。楽しめるってね」
「楽しめることはか」
「そうだっていうのかよ」
「うん、リラックスだよね」
今度はこう言った彼だった。楽しむというkとはそのままリラックスということだと認識してのうえの言葉だった。
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