第二十三話 大阪難波その三
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「それもあるわよね」
「ええ、そのことも言われるわよね」
「そうよね」
「だからなの」
あらためて話す里香だった。
「お父さんとお母さんもね」
「お笑いが好きなのね」
「それで」
「そうなの。ただ今の漫才は」
やすしきよしではなく今のそれはというのだ。
「今一つって言ってるわ」
「ううん、確かにやすしきよしって面白いわね」
「そうよね」
四人は今もユーチューブで二人の漫才を見ている、そこには絶妙の掛け合いと最高の間があった。二人いてである。
琴乃は今度は西川きよしを見て言った。
「きよし師匠もよね」
「面白いでしょ」
「かなりね」
そうだというのだ。
「凄く面白いわ」
「けれどきよし師匠って」
その彼のことをさらに話した。
「今と同じな様で」
「また違うわよね」
「二人いたらこんなに違うのね」
彼だけの場合とは全く違うというのだ。
「息も凄く合ってるし」
「最高の漫才でしょ。他にはね」
「他の漫才師の人ね」
「オール巨人阪神とか」
この二人の名前も出た。
「あといとしこいし、太平サブローシローに」
「シローさんもよね」
「残念なことにね」
里香は太平シローのことについても寂しい顔になる、彼もまたもうこの世を去ってしまっているからである。
「昔を懐かしむかも知れないけれど」
「昔の漫才師の人はよね」
「また違うわよね」
「ええ、j本当に面白いわ」
琴乃は確かな顔で答えた。
「吉本は嫌いじゃないけれど」
「昔の吉本はまたね」
違うというのだ。
「だからいいのよ」
「そうなのね。それで里香ちゃんは」
「私は?」
「お笑い好きよね、やっぱり」
「そうなの」
今話すことだった、四人に対しても。
「好きなの、今のお笑いもね」
「今のもなの」
「そう、好きだから」
こう言ったのである。とはいってもだった。
「やっぱり昔のお笑いの方が好きな感じだけれどね」
「やすしきよしの方がなのね」
「もっと今の人達にも頑張って欲しいかなって」
里香は本音も 述べた。
「思ってるわ」
「今もねえ。まあ面白い人は面白いけれどね」
「それでもよね」
「ええ、やすしきよしはね」
やはり別格だと言う里香だった、その話から。
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