第二十三話 大阪難波その二
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「あそこにも」
「いいかも知れないわね、あそこでも」
里香も琴乃のその言葉に頷く。
「難波に行くついでに」
「そうよね」
「難波のジュンク堂の辺りも面白いし」
「確かあの店の前ってあれだよな」92
ここで言う美優だった。
「なんばグランド花月があるよな」
「うん、そうよ」
「吉本のな」
「吉本っていったら」
ここで言った里香だった。
「やすしきよしとか?」
「随分古いな、おい」
「古いけれどね」
それでもだというのだ。
「やっぱり吉本の中で一番面白かったから」
「あの二人の漫才なあ」
「残っている映像とか見たら一番面白かったのよ」
やすしきよしの漫才は二人揃ったその時に最高のものとなった、片方がいなくなった時にその最高の漫才はなくなったのだ。
里香はその漫才がだというのだ。
「間とかがね。ネタも」
「そんなによかったの?」
彩夏は麦茶を飲みながら里香に問うた。
「やすしきよしって」
「この目では見ていないけれど」
横山やすしが死んだのは五人が生まれるよりも前だ、そしてそれよりもさらに前に彼はその不祥事で吉本興業を解雇になって漫才が出来なくなっている。
「それでもね」
「上手なのね」
「映像が残ってるから」
「ユーチューブでも観られるかしら」
「あっ、あるよ」
美優は携帯でそのユーチューブで検索してみた、すると早速その映像が出て来たのだ。
その映像を観ながら四人に話す。
「へえ、昔の漫才ってこんなのなんだな」
「あっ、こんなのなの」
「西川きよしさんも出てるわね」
琴乃と景子もそれぞれの携帯で観る、当然彩夏も。
そこには若き日の西川きよしがその横山やすしと漫才をしている姿があった、四人でそれぞれ観ながら話すのだった。
「ふうん、こんなのなの」
「今の芸人さんよりも面白いわよね」
「そうよね、古典的っていうかね」
「間が本当に上手だよな」
「そうなの、漫才も落語もね」
里香はお笑い全体の話にした、漫才だけでなく。
「間なのよ」
「うちの兄貴もそう言ってるよ」
美優は数日前に兄と話したことをここで思い出した。
「漫才でも間だってな」
「美優ちゃんのお兄さんもそう言ってたのね」
「それ次第で漫才は全然違うってな」
「実際にそうだしね」
「ああ、本当だよな」
美優はやすしきよしの漫才を観ながら里香に応える。
「この二人凄いよ」
「これだけの人があれでしょ」
景子は二人のうち横山やすしを観ながら里香に問うた。
「お酒の飲み過ぎで死んだのよね」
「吉本を解雇されてね」
里香はこのことを寂しい顔で話した。
「そうなったの」
「そうよね」
「息子さんの傷害事件で謹慎したのに」
その前から度々トラブルを起こして問題に
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